現代に紡がれる神代の信仰。

 戸隠神社は山奥にひっそりと佇む由緒ある神社で、訪れると本当に美しい自然に囲まれた場所であります。冷涼とした水脈が滔々と湧き立ち流れ出て、二千年の信仰に守られた古樹は苔生し、参道に雄々しく聳えたって私たちを出迎えます。太古の信仰によって開かれた神社、そこがかつて人々が畏敬の念を抱いた地である事を、五感をもって感じる事ができます。

 過去に人々が抱いた自然に対する畏怖、霊験なるものへの畏敬。
 それらは人ならざる者、人の上にある者を尊び敬う気持ちとして、古くから受け継がれてきた。
 それは今この時代を生きる私達にも、ふと訪れ、共有される瞬間がある。
 なぜ畏敬の念を抱くのか。なぜ信仰心を抱くのか。信仰の対象は、長い歴史の中で変わり続けてきた。殊更日本の神道は変化を受容し、交わり続けた物でもある。畏敬の念はそのままに、それを表す概念だけが再編され、今も生き続けている。
 形は、さほど重要ではない。
 大切なのは、「心」なのだ。
 その心が、これからも受け継がれるといいなと思いつつ。
 神様のキャラクター性も素晴らしく、素敵な物語でした。

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