九頭龍さんの社(やしろ)

作者 輝井永澄

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★★★ Excellent!!!

 戸隠神社は山奥にひっそりと佇む由緒ある神社で、訪れると本当に美しい自然に囲まれた場所であります。冷涼とした水脈が滔々と湧き立ち流れ出て、二千年の信仰に守られた古樹は苔生し、参道に雄々しく聳えたって私たちを出迎えます。太古の信仰によって開かれた神社、そこがかつて人々が畏敬の念を抱いた地である事を、五感をもって感じる事ができます。

 過去に人々が抱いた自然に対する畏怖、霊験なるものへの畏敬。
 それらは人ならざる者、人の上にある者を尊び敬う気持ちとして、古くから受け継がれてきた。
 それは今この時代を生きる私達にも、ふと訪れ、共有される瞬間がある。
 なぜ畏敬の念を抱くのか。なぜ信仰心を抱くのか。信仰の対象は、長い歴史の中で変わり続けてきた。殊更日本の神道は変化を受容し、交わり続けた物でもある。畏敬の念はそのままに、それを表す概念だけが再編され、今も生き続けている。
 形は、さほど重要ではない。
 大切なのは、「心」なのだ。
 その心が、これからも受け継がれるといいなと思いつつ。
 神様のキャラクター性も素晴らしく、素敵な物語でした。

★★ Very Good!!

戸隠神社に行ったことがある。九頭竜社にも。その前にこれを読んでおけばもっと楽しめたはずだ。
言い伝えにキャラ付けするとこうも変わるのかと思った。風景や雰囲気の美しい描写なしに、こんな風に地域の魅力を伝えることができるとは。新鮮な驚きだ。
次に行くときは梨を持っていこう。
ほんの少し残念だったのはポケモン。商標が出てしまうと選べないと思う。パワースポットで十分だった。

★★★ Excellent!!!

ファンタジー的アプローチで描かれた街コン作品。発想力とキャラクター性はピカ一で、その上日本の神話にも少し詳しくなれるオマケつきの作品だ!

日本の成り立ちから、神の存在、人や土地への関わり方が描かれる中で、最終的に現代的ガジェットを持ち込んで物語を終わらせるさまはお見事の一言。

読者に置かれましては、九頭竜さんの声を松岡 茉優ちゃんで想像していただけると、なおこのと九頭竜さんが可愛く思えると思います! まる

★★★ Excellent!!!

日本人が何気なく感じている霊的なものと、信濃の美しさが、やさしく描かれたお話。
日本の神様って、荒ぶる面と和やかな面両方をお持ちの神様が多いんですよね。このお話に出てくる二柱に、ごく当たり前に表現されていて、楽しくなりました。
そのお社にレアなモンスターが引き寄せられているのも納得です。

現代の日本神話として、たくさんの人の目に留まりますよう。

★★ Very Good!!

作者は長野県在住かご出身なのでしょうね。他に「長野市役所ダンジョン課」という作品を書かれていますが、私自身は未だ読んでいません。これから読みます。
さて、この作品ですが、JRのCMみたいに「そうだ!長野に行こう!」と読後に呟いてしまう良い観光アピール短編です。
複数の神様を同時に祀るスポットが、全国にポツリポツリと点在することは知っていましたが、不信心な人間ゆえに何とも思っていませんでした。この短編小説を読むと、そういうことかもしれないなぁと、素直に納得してしまいます。
星の数は、短編にはMAX2つが信条だからです。
最後に他の読者の方へ)作者の他の作品である「不法就老」を私は読みましたが、こちらも読んでみてください。完成度の高い短編です。カラリとした雰囲気で深い人生訓を語った秀作です。

★★★ Excellent!!!

大自然のそれぞれを神として畏れ、敬っていた昔。
その一部は今も残っていますが、かつての信仰の理由などは擦り切れてしまったものもたくさんあります。

祀られている九頭龍さんの今を、ほんわかしたムードで書き上げています。
きっと神様も人の営みに興味津々なのだろうな、と思わせる作品でした。

お忙しい時に読むと、くすっとできるかも?