第2萌 不安すぎる仲間カモ

私の名前は草刈智代くさかりともよ、中学2年生

お父さんが『モエッティ』と言う得たいの知れない宗教に入って失踪した

とさっきそう告げられた。

急にそんな事を言ってきたのは私の大大大好きな彼氏

神ヶ尾俊平かみがおしゅんぺいくん、あだなは「神」

そんな神のお父様を探すのはもちろん彼女の私にとって大事な役目だけど

本心は萌えの宗教に入ったと言うお父様とモエッティと言う変な教団に

興味津々なの

何、その宗教、全くもってワロスなんですけど!!!


***


「とは言ったもののモエッティに関する情報はネットで調べても

何も出て来ないんだよな。ともよんは何か知ってる?」


私がそんな事を考えているとはつゆ知らず真剣にそんな事を聞いてくる神。可愛い。


「うーん、そうね。私がこの前行ったコミサ・・・」

(危ない危ないコミックサミットに行ってる事は神に隠してるんだった

コミックサミットって言うのは同人誌作家さんがたくさん集まって自分の作品を発表する日本最大の同人誌イベントの事ね。ちなみにコミサのBLブースは凄いのよぉ!!ぐへへ)


「ともよん?」


「ううん、何でもない。

(おっとっと、説明に力が入り過ぎたわね)

そうだ!例の神の友達なら何か知ってるんじゃないかしら?」


「友達?もしかして、あの漫画・アニメ大好きな鴨乃端渉かものはしわたるの事?」


「そうそう、鴨乃端渉くん!」


「そうか、確かにあいつならモエッティに関して何か知ってても不思議じゃないね。

さすがともよん!」


「えへへ、それほどでも」

(あるけどね)


「それじゃ、まずは鴨乃端渉『かもる』に会いに行こう!」


「うん、そうしましょ!」


・・・


「ここが鴨乃端くん、かもるくんの家ね。」

うーんごくごく普通の二階建ての住居って感じだけど、一体どんな人なんだろう。

神から話は聞いていたんだけど・・・

そんな事を考えていると神がチャイムを鳴らした。


(ピンポーン)


「・・・あれ?誰もいないのかな?」


しばらく待ってみたけど反応がない、何か面倒くさく感じて来た。

私はしびれを切らした

「いいから、もう入っちゃいましょ!」


「ちょ、ちょっと、ともよん!勝手に入るのはまずいよ」


「だって2人は親友

(いいえ、私の脳内では2人はホモ達)

なんだから!全然大丈夫でしょ?鍵は開いてるみたいよ!」


「ともよん、家の人に怒られても知らないからな」


「お邪魔しまーす!で、かもる君の部屋はどこ?」


「その階段を上がってすぐの部屋だけど・・・」


「そうと分かれば、突撃ぃ!!」

一体何が出てくるのかしら、ワクワクする~

一気に階段を駆け上がる!


「ともよん、待ってってば!!」

神が後ろから着いてくる、あ!そうだ!

私スカートだったっけ、もしかして神、私のスカートの中見てる?

やだ、顔背けてる。可愛い。


「ここがかもるくんの部屋ね。

早くかもる君を呼び出してモエッティの事聞きましょ!」


「うーん、あいつ春休みだからって寝てるのかもな。

おーい、かもるー、いるんだろ?」


一体この部屋には何があるのかしらちょっともやっとした雰囲気が漂ってるけど


「もう、うるさいなぁ!誰だよ、こんな朝っぱらから!

僕のヒカルちゃんがご機嫌ナナメになってしまうカモ!」


少し甲高い声が部屋の中から聞こえてくる、想像以上に高い声


「ごめん、かもる、俺だよ。」


ふすまを開けて勢い良く出てきた男の人、彼がかもるくん・・・?

豊満な肉体をしたメガネ男子、中途半端に伸びた髪の毛、オレンジ色のジャージ

ピザとコーラが似合いそうな典型的なオタクね。

そして、何この部屋中に並べられてる美少女フィギュアは・・・

数えきれそうもない。地震が起きたらまず埋まるわね。

ってかヒカルちゃんってもしかして、アニメでやってた美少女祈祷師ヒカルの事?

フィギュアがご機嫌斜めって何?キモすぎるんですけど。


「何だ、神か。お前勝手に部屋まで入ってくるか?いくら友達とは言え礼節をわきまえねば

っとそこにいらっしゃる御婦人は!!?」


私の存在に気付いて急にテンションがおかしくなったみたい。


「あぁ、そう言えばちゃんと紹介してなかったな。彼女の草刈智代、ともよんだ。」


「噂は神から聞いてました。

初めまして草刈智代です、よろしくお願いします☆」

ここはキモイけど可愛く営業スマイルなんだから!


「ふーん、そうなんだ。僕は三次元に興味はないので。

んで、今日はどうしたんだ?」


何なの?感じ悪くない?神の彼女なのよ!

せっかくプリティスマイルを見せてあげたのに

ちょっと待って、もしかしてコイツ、私の事を目の敵にしてる?

俺の神に手を出しやがってとか考えてるの?

そうよ、絶対そうよ。


「あぁ、実は・・・」


「ほう、それは大変な事になったのカモ

そして、お前の父さんの失踪理由があのモエッティにあったとは

まぁ、俺に言わせればあんな教団は偽物さ

俺の方がよっぽど二次元に詳しいカ・モ!!」


ウザッ!なんなのこいつの無駄な自信


「それで、お前モエッティに関する情報を何か知らないか?」


「うーん、そうだな。

確か隣町の虎谷町にモエッティの支部があるって話は聞いた事があるカモ」


「なんだって?それは確かな情報だろうな?」


「確かさ、僕は虎屋町のアニメイタンによく行くからね。

モエッティの奴らがそこで勧誘しているのを見た事があるのさ。

そこに行けば何かわかるカ・モ」


神はさっきからちょくちょく出てくるカモと言う語尾には何も突っ込まないのね

そして、あのドヤ顔殴りたい。


「仕方ないからアニメイタンまで僕が案内してやるよ」


「かもるも俺の父さんを探し出す事に力をかしてくれるって言うのか?」


「正直、神の父さんの事はどうでもいい

ただ許さないのさ、間違った二次元観を世に広めているあのモエッティって言う奴らがな!」


こいつの二次元観とモエッティの二次元観に一体何の違いがあるって言うの?

正直どうでも良いわ!


「二次元に強いお前がいれば心強いよ、な?ともよん!?」


凄くキラキラした顔で言ってくる神、可愛い。

とは言え、この人全然役に立ちそうにもないんだけどな・・・

ただ、神×かもるの薄い本を作るためには来てもらった方がいいかもしれないわね。


「うん☆」

今日も輝くプリティスマイル!


「よろしく頼む、かもる!って

かもる、その腰に下げてるのは何?」


「ふっ!これは僕の必須アイテム『レインボーサイリウム』さ!

何と7色に変化が可能!!」


「それ、何か役に立つのか?」


「それはこの後のお楽しみカ・モ~」


本当にこのかもるって人を連れて行って大丈夫なのかしら

そうして私たち3人はモエッティの支部があると言う隣町『虎屋町』に

向かう事になった。私たちは無事にアニメイタンにたどり着きモエッティの

情報を手に入れることが出来るのかしら?


第3萌に続くみたい

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る