第7萌 ロリィタの眼差し(後編)

私の名前は草刈智代くさかりともよ、モエッティ虎屋支部に入って早々に

現れたのは超ロリロリブリブリな幼女。

対峙した瞬間に神の様子がおかしくなったと思ったら

彼女はこの虎屋支部長の支部長『正陽徐しょうようじょレーラ』だった。

神に罵られて凹んでる場合じゃない!神はあいつにあやつられてるはず。

絶対に元に戻してみせるわ。

そして、そんな幼女に対し豚野郎がサイリウムを持って動き出す・・・


***


「僕の必殺技を見せてやる!この為に持ってきたんだ!

『超絶!迅速!闊達!ミラクルサイリウムダーーーーンスッッ!!!!』」


豚野郎がサイリウムを回しながら身体を前後左右に素早く動かす。

あのぽっちゃり体型からは到底考えられないスピード。

それにしてもただただ気持ち悪いだけなんですけど。

こんな事して意味あるとは思えないけど・・・


「は?」


「ちょっと待って?僕の必殺技は華麗なるヲタゲーで相手を魅了する技

なぜ、効かないぃぃぃ!!!」


やっぱり・・・そんなの効くわけないじゃない!


「なかなか良いヲタ芸だけど、それで?って感じね。」


「ぐぬぬぅ、僕のヲタ芸が全く効かないなんて・・・

だが、まだ僕はこんな所で負けるわけにはいかない!

負けるわけにはいかないんだ!!」


あいつ絶対に何か違うこと考えてるわね


「レーラちゅわん・・・きゃわいい・・・俺はお前のモノだ・・・」


駄目だわ、神の目が完全に生気を失ってる。

間違いなく洗脳されてるわね。

どうしたら元に戻せるんだろ。


「ねぇ、そろそろあなたのヲタ芸には飽きたわ。

早く私の目を見て、かもる君?」


そうか、目を見ると洗脳出来るって事なのね。


「あーん、3次元とは到底思えないその容姿

そんな幼女に僕は迫られているぅーー

でも僕はそんなモノには興味はない

かもる、違うだろ。僕が好きなのはあくまでも2次元だ

思い出せテレビアニメ「美少女祈祷師ヒカル」の第1話でヒカルたんが

登場した時の恋焦がれたあのシーンを!!!

こうなったらもう一つの必殺技だ!

行くぜ!必殺『逆タイガー!!!』

説明しようこの必殺技はタイガー、つまりヲタ芸用語でジッと見つめる行為

その逆と言う事は目を瞑りながら相手を見つめる行為なのだ!!!

これでこいつの目を見ないで済む・・・カモ」


独り言長すぎだし、今回も全然効果なさそうな必殺技キター!!


「は?目を瞑れば私の全ての攻撃を無効化出来るとでも思ったの?

次の必殺技をくらいなさい!

『かもる、お兄ちゃん!今日はレーラと一緒にお風呂に入ろう!?

ねぇ、いいでしょ?』


何?あの幼女が発してはいけないセリフは!?


「ぬおー!!!!これはアカン、アカンかもーーーー!!!!!」


「これこそ私の『幼女の眼差しに』続く必殺技『幼女のささやき』」


「耳から甘美な言葉が攻めてくるぅぅぅ」


「お風呂?入る、入る、入っちゃーう!!」


幼女のささやき?なんて恐ろしい技なの

そして、神は2重に技がかかってますますおかしくなってるし!


「ふん、こんな奴らホントに楽勝

これで邪魔者もいなくなってモエッティも安泰。

私が確実にこの世界を良くしてあげる!」


「もうだめ、かもちゃんも落ちちゃうカモォォォォォ!!!」


まずいわ、豚野郎まで洗脳されたらさすがに私にも勝ち目はない。

一体どうしたら・・・って、こんな所に何か落ちてる。

免許証?山田昌江・・・?明らかに写真はレーラよね。

さらに生まれた年は昭和○○年?っていう事は今年30歳?どういう事?


「ちょっと!そこなんで私の免許証持ってるのよ!」


「いやいや、落ちてただけですけど」


「どうして?私、いつ落としたんだろ?」


「神、かもる君、こいつは幼女じゃないわ!

れっきとした30歳の成人女性よ!!!」


「ともよん、何を言っている!!そんなわけないだろう!!!」


やっぱりそれだけじゃ解けないか。

神、ゴメン。私、愛のムチ打ちます!

「届け私の想いぃぃぃ!必殺『ガチビンタァァァ!』」


「ギャフン!」


神が明らかに少し宙に浮いた・・・ちょっとやりすぎたかしら。


「ん・・あぁ・・ともよん?俺は一体何を・・・

何故か、頬が凄くヒリヒリするんだけど」


「神、ようやく元に戻ってくれたのね!

とにかくこの免許証を見て!」


「何?嘘だろ!彼女が昭和生まれだって!?」


「僕たちを騙したな!」


「うるさい、うるさい、うるさーい!私は昭和生まれなんかじゃない!!!」


「もう言い逃れは出来ないわよ、正陽徐レーラ、いいえ

本名、山田昌江やまだまさえさん!!」


「うるさい、うるさい、うるさーい!私は山田でも昌江でもなーい!!」


よし、大分動揺してるわね。

「神、今がチャンスよ!」


「何だかよく分からないけど

やってやるぜ!セクシーアイドル大全集よ、俺に力を!

くらえ、必殺『リ・ア・ル・壁ドーン!!!』」


「お前は俺のものだ」


「ぐぬぬ、さすがは神ヶ尾俊平

スバルを一撃で沈めた壁ドンの威力はなかなかのものね。

少しだけ萌えさせてもらったわ。

でも、あんたみたいなガキンチョの壁ドンで私を最後まで落とす事は出来ないわよ」


「神はガキンチョなんかじゃない!

あんたなんかただのロリBBAじゃない!!」


「でも、まぁ良いわ。

とても楽しかったから今回は退いてあげる。

智代さんに感謝するのね。

ガチでビンタする愛、しかと見届けたわ。

また会いましょ、神君?」


「ちょっと、逃げる気!?」


「今度会えたらお父さんの話、聞かせてあげる。それまで、せいぜい頑張るのね。

じゃあね❤︎」


「待て!父さんはどこにいるんだ!

ぐっ、予想以上にダメージが!」


神、ゴメン。それ多分私のせい。

「かもるくん、あいつを追って!」


「僕も凄いダメージ・・・かも・・・」


嘘をつくな、お前は無駄な動きをして疲れただけだろうが。


「ヒカルたん、僕、よくやったよね?」


そんなやり取りをしている間に彼女は去っていた。


「今度は絶対父さんの情報を聞き出してみせる!!」


神、あなた主人公よね?


とにかく正陽徐レーラを苦戦しながらも何とか退けることが出来た。

倒しきれなかったけどこれで虎屋町支部はモエッティの手から解放された。

神のお父様の情報は手に入らなかったけど次に進むしかないわね。

次回も楽しみにしててね!

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