第5萌 腐ったバトル
私の名前は草刈智代、彼氏の神とその友達のかもるくんと
神のおとうさんの情報を求めて隣町虎谷町のアニメイタンに向かったんだけど
そこに現れたのはモエッティ第一の刺客「カタハリのスバル」だった。
ってか、名前ダサすぎじゃない?
そして、かもるくんと神が「双丘パラダイス」とか言うさっぱり意味の分からない
必殺技でピンチに陥ったんだけど神のまさかの壁ドンによってスバルを浄化し
正気?に戻す事が出来たみたい。ってかもしかしたらスバルって人、神にちょっと
惚れてしまったんじゃないかと思ってる(ぐへ
神×おっさんの薄い本書けるかな・・・
とにかく彼の案内でモエッティ虎谷町支部に向かうことになったわ!
***
「一体どこまで歩くんだよ、もう疲れたカ・モ」
「確かに、スバルさん、本当にこの道で合ってるんですか?
どんどん森が深くなっている気がするんですが」
「大丈夫だよ、神君。私はもうモエッティの人間じゃない。
君に救われたんだ、嘘なんかつかないよ!」
「分かりました、スバルさんを信じます」
なんか絶対話し方気持ち悪いよ、おじさん。
でも神はそんな事は全然気にしてないみたいね。
まぁ、神は鈍感なところあるから。でもそんな所がまた、可愛い。
そして、確かにどんどん森が深くなって獣道みたいになってる。
本当に大丈夫かしら?ここは一つ。
「もう、さすがに歩き疲れちゃった。少し休まない?」
「全くこれだから三次元女はいやなんだ!」
「かもる君、何か言った?」
お前が先に疲れたカ・モって言ったんだろうが!
そして、三次元女じゃなくてちゃんと智代って言う可愛い名前があるんですけど!
「いいや、なんでもないさ
でも、僕もお腹空いたカ・モ」
あ、ちょっと怖い顔が出たみたいで話をそらしたわね。結局何言っても
生身の女の子には弱いのよ。こう言う奴らって!
「皆さん、もう少しです。頑張ってください!」
あれ?ちょっと待って道の先に何かが落ちてる。
嘘でしょ、遠くからでも私には分かるあれは間違いなく薄い本!
何でこんな所に?道端に落ちているエロ本のごとくだわ。
確かめたい、確かめなきゃ!私の嗅覚がそう訴えてる!
こうなったら
「どうかしたのか、ともよん?」
「ううん、なんでもない。ちょっと、先に行ってて・・・」
もじもじうるうるモード全開!!
「なんだよ、もしかして、おしっ!」
「かもる、それ以上は言うな!」
「ふん、なんだよ。これだから三次元は。ヒカルたんはそんなものしないんだぞ!」
この二次元大好き豚野郎は本当にうるさいわね、でもちゃんとその辺気付いてくれて
ありがと。
「このまま道なりに進んでるから。」
「うん、ありがとう、神。」
ふぅ、何とか騙せたわね。
やっぱりそう、私の嗅覚に間違いはなかったわ。
でも、なんでこんな所にコレが落ちてるの?
B・L同人誌のレジェンド『榎戸マサ先生』の処女作
『美男子メリーゴーランド』!!
目くるめく美男子たちの繋がって繋がるのよ~あぁ萌える!!
ネットオークションでも高値が付いてて全く手が出せなかったのよね~
はっ!!もしかして、これは罠?
「ふふふ、引っかかったわね。」
「何?誰なの?」
そこには、一際ピンク色のスカーフが目立つ巻き巻きロングヘアの30代らしい女性が怪しい笑みを微笑みながら立っていた。ピンク色・・・もしかして!
「私はモエッティ第2の刺客『ヤオラのおケイ』
やはり引っかかったわね、草刈智代さん・・・いいえ
「『蒼狩いちご(あおかりいちご)』さん。」
「ひぇ~!ど、どうして私のペンネームまで!!!???」
「あなたがコミサでB・L本を出しているのは調べがついているわ。
とりあえず貴方をおびき出すために餌をまいたの。
私のお宝『美男子メリーゴーランド』を使ってね!」
「く、私としたことが!こんな簡単な罠に引っかかるなんて!悔しいぃ!」
やっぱり罠だったのね、ってか私のペンネームまで知ってるなんて。
「あなたの事をコミサで知った時に、是非モエッティに入って欲しいと思ってたの。
2次元、いいえ、BLの世界を一緒に広めましょう。
私とあなたがタッグを組めば怖いものなしよ!」
「何言ってるのよ、私にそんな気はさらさらないわ!
と言うかあなたの事なんて全然知らないし」
「私はこの道に入ってもう20年なのよ!
あなただって『ヤオラのおケイ』の名前は聞いた事があるはず!」
「『ヤオラのおケイ』?そんな名前一度も聞いた事がないわ」
「な、なんですって?20年連続でコミサに出展している私の事を知らない?」
「うん、知らない!相当、売れてないんでしょうね?」
「えーい、うるさい!うるさい!
神ヶ尾君、だったかしら?彼氏。彼には内緒なんでしょ?
B・Lが好きって言う事」
「だからどうしたって言うの?」
「本当の自分を出せないで我慢をしなきゃいけない環境の何が楽しいの?
私と一緒に自分を全てさらけ出して生きましょう!
その方が必ずあなたの為になる」
「別にそんなのあんたに関係ないじゃない。
私は神の事が好きなの、それはまた別の話」
「ぐぬぬ、こうなったら神ヶ尾君にこの事を暴露するまで!!
そうなりたくなかったら大人しくモエッティに入りなさい!!」
「あーあ、寂しい人。
ってか、神にこの事ばらしたらあなたの事、再起不能にするわよ?」
知らない方が幸せって事も人生にはあるのよ。
「な、なんなの。あなた確かまだ中学生よね?中学生とは思えない
いけないオーラが私には見える。これはどういう事なの?
いいえ、だからと言って私が負けるわけがない。私はこの道に入って20年。
B・Lへの愛ならこんな子供に負けるワケがないわ!
見せてあげる、私の20年の集大成を!必ず虜にしてあげる!
な、なんなの?頭の中に映像が流れ込んでくる。
シャワールームに男子2人?これはおそらくサッカー部の先輩後輩シチュ!!
後輩「先輩、ダメですよ、こんな所で」
先輩「いいだろ、部活でたくさん汗かいたんだからもっとしっかり洗わないと」
後輩「いや、だからってそんなに丁寧に洗わなくても」
先輩「綺麗にしたいんだ、お前を」
後輩「これ以上はダメですぅぅぅ!!」
「必殺『部活の後にシャワールームで戯れる美少年の図!!!』」
・・・
「どう?これであなたもモエッティ!」
「・・・ふふふ、ははは、はははははは」
「あら?あまりにも効力が強すぎたのかしら?」
「これが20年の集大成?笑わせないでよ。
ドノーマル、ドノーマルゥゥゥゥゥゥ!!!!!!」
「な、なんですって?全く効いていない?」
「そんなレベルだからあなたの本は注目されないのよ、おばさん?」
「キーーーーーーーー!!」
「早く、神たちに追いつかなきゃいけないの。だから一発で決めるね?」
神は壁ドンでモエッティを浄化した、私にもそんな力が秘められているはず!
私の妄想よ!おケイの脳内に届けぇぇぇ!!!!
かもる「神、ごめん急にこんな所に呼び出しちゃって」
神「いや、大丈夫だけど。どうかしたのか?」
かもる「うん、僕最近どうしても神にやってもらいたい事があって
聞いてくれるか?」
神「あぁ、お前の頼みなら」
かもる「僕、神に縛られたくて縛られたくてたまらないんだ」
神「かもる、お前ついに・・・」
かもる「僕が求めてたのは美少女の二次元世界じゃない
神に釣られて眺められるのが好きだって気付いたんだ!」
神「仕方ないな、少し痛いけどいいか?」
かもる「はぁぁぁぁぁぁんんんん!!!!」
「必殺『イケメンに釣られる元二次元大好き豚野郎ぅぅぅ!!!』」
「な、なんて言う世界・・・私には理解が出来ない・・・」
「あなたはイケメンにこだわり過ぎた、B・Lの世界はイケメン×イケメン
それだけじゃないのよ!」
神、ごめんなさい使っちゃった。
「り、あ、じゅうぅぅぅぅ!!!!!!!!!!」
「出直してきなさい!早く神たちの所に行かなきゃ!」
あ、せっかくだから『美男子メリーゴーランド』もらっていこっと。
***
「はぁ、はぁ、はぁ、ごめんなさい」
「あぁ、ともよん」
「遅かったな、もしかして、うん・・・」
「かもる、だからそれ以上は言うなって!!」
「だから三次元は嫌いなんだ、ヒカルたんは・・・」
「そのくだりはさっきやったぞ!!」
「さぁ、張り切って行きましょ!!!」
あんな事を考えてモエッティの刺客を倒したなんて口が裂けても言えないわね。
とにかく、虎屋町支部に早く向かわなきゃね!
みんなも絶対2人には内緒にしてね☆
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