刻を戻す代償は? 主人公の肩を叩いて応援したくなる恋愛物語。

等価交換の法則ではないですが、Aを手に入れるためにBを失う。主人公のキャラ設定は秀逸だと思いました。主人公は嫌がっていますが、闇社会で縦横無尽に活躍するダークヒーローを演じさせたら面白い娯楽小説を書けるだろう、そう私は思いました。
さて、恋愛物の本作品ですが、安心して読めます。
SF好きが読むと、途中で「ん?」と感じるでしょうが、恋愛物ですから、其れは主題ではありません。疑問を封印するように! そうしないと楽しめません。まぁ、堅物のSFファンである私は気になって仕方なかったのですが、主人公に「俺の時間も読み始める前まで戻してくれ!」と念じながら読了しました。
尚、私は別作「龍神池」の方が好きです。1万字前後の短編なので、読んでみては如何でしょうか。

その他のおすすめレビュー

時織拓未さんの他のおすすめレビュー559