メランコリックな哀愁漂うストーリー

 主人公二人の視点で交互に綴られるストーリーが対極的。

 特殊な力を持つユキは贖罪の気持ちを胸に秘めて過去を語っていく。その切なく苦しい想いに胸が苦しくなります。

 すべてを忘れて何もわからない奈美は、それでも元気に明るく過ごしていく。過去を求めて不安になりながらも明るさを失わない彼女を応援したくなります。

 ひりひりする痛みとほわほわした温かみが交わる時、二つのストーリーが重なり合う。


 二人が幸せを求めてゆっくりと歩み寄っていく過程が切なく美しい作品です。


 

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