異世界戦記『ヒーロー&ヴィラン』

作者 前田薫

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★★★ Excellent!!!

面白い作品でした。
タイトルの「ヒーロー&ヴィラン」からもっと単純な勧善懲悪のストーリーを想像していましたがいい意味で裏切られました。この物語にはもっと深いものが流れていました。
ストーリーは高校教師の「コウ」とその生徒の「ユメ」が異世界に飛ばされ、それぞれ敵の陣営で戦っていくというのがアウトラインです。ですがここから始まるドラマは、そんなに単純ではありません。お互い相容れぬ陣営同士、そこには内紛があり、戦争があり、戦いはみるみる混迷を深めていきます。
そんな世界の中で二人はそれぞれに活躍していき、戦禍の中心となっていくのですが、やはり一筋縄ではいかない展開が待ち受けていきます。
と、ここまで書くと難しそうですが、語り口の良さ、展開の良さ、毎度気になる引きの良さなどで、あっという間に読み進めてしまうと思います。そして登場するキャラクターの数々がまた魅力的で、こちらも強力に物語を進めていきます。
物語の楽しさに身をゆだねつつ、その奥に流れるシリアスなテーマに驚き、意外な展開にびっくりし、楽しい読書が出来ると思います。
ぜひ読んでみてください!

★★★ Excellent!!!

面白かったです。一言でいうと、圧倒されました。

概要にもありますように、

主人公竜造寺コウは高校教師。女生徒、羽白ユメの担任という設定。
しかし、ひょんなことから、異世界へ。
コウがヒーローになるのかな。わくわく。この辺りは、実際に読んでみてください(*^^*)

この物語の主軸には「戦争」があり、幾たびの戦いに巻き込まれる主人公たち。ただ、戦うだけではない。
ただ、魔法を魅せるだけではない。
2人の想いもさることながら、異種間の戦争に巻き込まれ、仲間を失い、ヒーロー&ヴィランのテーゼを据えたまま、物語はLASTへ。

……もやもやとします。
でも、これが戦争の在り方であり、正義の定義なのかも知れません。
余談ですが、男性はどこか「ヒーロー」でありたい願望が強く、そういう風に遺伝子も出来ているそうです。なので、コウのヒーローとしての姿はユメにはどんな風に映ったか……などと考えてみました。

きっと、ユメにとって、好きな相手にとってのヒーローになれたのではと。

さて、この物語の戦いや戦略ですが、史実を元にされているそうです。ですので、戦略家としてのコウは智略に長けていて、戦法もぶれません。こんな部分が多々見えるために、通常の「異世界物語」とは一画を博している「ヒーロー&ヴィラン」

その意味は、貴方自身で確かめてみてください。

★★★ Excellent!!!

「ヒーロー&ヴィラン」。
ハリウッド映画で近年多用されるこの用語を無理やり日本語に置き換えるなら「正義の味方&悪役」であろう。しかし、本作は決して、正義と悪のわかりやすい対決を描く作品ではない。「ヒーロー&ヴィラン」というタイトルから、颯爽と変身して悪を蹴散らす正義の戦士を想像して本作のページをめくった人は、まずその想像と実際の内容のあまりの差に愕然とさせられることになる。それこそが作者の計算なのだ。

変身できる者すべてが正義ではないし、魔族に与するものすべてが悪ではない。
本作において「ヒーロー」と「ヴィラン」は人間の本質を語るためのガジェットにすぎない。正義の味方に憧れ、異世界で変身能力を得た少女は、自身の妄信する「正義」と現実に直面する「悪」との間で何度も揺れ動き、恩師たる主人公と幾度もぶつかり合う。
科学の鎧はただの鎧にすぎない。力をどう行使するかは人の心が決める。その人を社会がどう称えるかは、「ヒーロー」か「ヴィラン」かというガワで決まるのではなく、何を守るためにどう戦ったかで決まる。

十余年前、日本特撮界の革命児である白倉伸一郎と井上敏樹は、「ヒーロー」の変身ベルトを手にした者達と、「ヴィラン」たる怪人への変身能力を得てしまった蘇生者達の群像劇を通じ、正義とは何か、悪とは何かを広く世間に問いかけた。その作中、変身ベルトは幾度も悪人の手に渡り、人類を脅かす恐怖の兵器として機能した。一方、怪人と化しても人の心を失わなかった者達は、最後まで人類の未来を信じ、自らの命を賭して巨悪と戦い抜いた。

その作品の影響を本作の作者が受けているのかどうかはわからないが、9.11以降、「世界は正義と悪の二元論では区切れない」というテーゼは広く人口に膾炙するものとなり、幾多の創作者達が答えのない命題に答えを出そうと挑戦してきた。そうした無数の試みの最先端に生まれたのが本作だ。
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★★★ Excellent!!!

忙しい現代人がネット小説に求めるものとはなにか? 

それは読者によって異なるのだとは思うが、やはり“読みやすさ”ではないだろうか? 通勤通学の合間に、ちょっとした休憩時間に、スマホ片手に読むことができるネット小説は、読み手の目に優しく作るべきである。

などとわかっちゃいるのだが、書いているうちにムダに、冗長に、ダラダラと駄文を垂れ流す私のようなタイプもいる。“書きたいこと”と“書かにゃならんこと”は違うんだよと理解はしていても手が止まらないんです。猛省!

さて、本作『ヒーロー&ヴィラン』は、あくまでも読みやすさの見地に立って書かれている。段落は短く区切ってあり、展開が早い。状況の描写は簡素かつストレートにまとめられており、無駄を削ぎ落としている。話を理解するのに必要な情報の提供量を最低限にすることで読者に対して優しい作品となっている。「読ませる工夫」は、ここにある。作者、前田薫氏が他に手がけている歴史小説を見てみるとハードで重厚な雰囲気が強いが、本作の文章はライトだ。氏本来の芸風は重厚のほうだと思うのだが、こちらでは使い分けている。作品に合わせたのだろう。

展開の早さは戦記物らしいスピード感を生んでいる(そう、タイトルだけ見るとアクション物っぽいが、これは戦記物なのだ!)。政治背景となる対立構造は魔族VS機械族というシンプルなもので(厳密に言うと、のちのち違ってくるのだが、概ねそんな感じ)わかりやすい。

とっつきやすい外殻を持つ一方で、作品のテーマは深いものとなっている。前田氏自身、“人によって受け取り方が違うように書いた”と語るが「考えさせる苦労」というものがあったのではないか? 結論づけるのは作者ではなく読者、というスタイルは、書くこと自体は出来ても、そう促すのは難しい。最終局面にいたるまでの展開が陳腐であったなら誰も考えやしないが、ただ劇的であるだけという… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

異世界に旅立ったコウとユメ、二人の異なる立場の視点から戦争を通して正義と悪について語られます。読み終わった今でもどちらが正義でどちらが悪なのか分かりません。きっと実際の戦争もそうなのでしょう。
それぞれに立場があってどちらも正しい、もしかしたら正義も悪もないのかもしれません。
予想のつかない衝撃のラストでした。まさによくある異世界ものではありません。読んでみることをおすすめします。

★★★ Excellent!!!

よくあるチートだの魔法だのが出てくる、異世界ものかと思って読んでいたのですが、正義とは何か、戦争は何故起こるのかといった人間の普遍的で難解な課題に果敢に挑んだ重い作品でした。

異世界転生したら強くなってて、ヒーローになる夢を見たくてこの作品を読み始めた人は、もしかしたら途中で「こんなの違う!」と拳を振り上げたくなるかもしれません。

けれども、私は二元論的な概念は危険だと思っていますし、重い話好きなので、逆に「おっ、これはもしかして名作の匂い…」と姿勢を正しました。

驚愕のラストに、衝撃を受けよ。

★★★ Excellent!!!

 この世界に入りたい。
 
 異世界ものには、欠かせない要素ではないでしょうか。
 この作品は、そういった読者の心情を掻き立てる何かがあります。
 
 その何かとは、やはり主人公を筆頭とした、作中に登場する魅力的なキャラクターたちなのでしょう。

 フライング気味にレビューを書かせていただきました。
 これにて失敬ω
 

★★★ Excellent!!!

現在は公開されていない歴史小説の方から、作者様の作品は入ったので、ライトでポップな冒頭から不思議な感じがしたのですが、抱えるテーマが重厚で。

ゴリ押しの正義では、何もなし得ない。
しかし、正義を貫くということは、これ程までに歪んでしまう。
でも、価値観が違うヒト(種族と言うべきでしょうか、今作品では)
と関わる中で、どうしても避けられないのもまた、歴史の渦の中ではあって。

爽やかとは言い難い読後は、カクヨムの中でも画一した作品だと思います。ですが、残る何かがループする正義。

頭から離れません。

★★★ Excellent!!!

一気読みしました。すんなりと読めたいい作品でした。

正義を問う物語というのは意外と商用のものでも多く、それが異世界物とあっては最早お腹いっぱいと思いきや、最後の怒涛の展開でいい意味でひっくり返されて良かったです。

一貫した正義を問うスタンスは非常に良くて、ブレず、そして安心して読むことができました。安心して読めるということは素晴らしいことです。

個人的にはもう少し設定を凝っていただきたかった部分もあります。わかりやすすぎる呪文やキャラの名前、簡易すぎる世界観、何かの漫画のオマージュ的な描写、省略しすぎたバトル描写は『読者層に合わせたあえての事』だとは思いますが、私のように長年武道を嗜む人からすると「ちょっとな……」と思える場所はチラホラありました。

しかし、それをカバーできる文章の引力というものを感じ、最後まで読ませる力は流石だと思います。

良い作品に巡り会えました。
ありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

ラストまで読了。キャッチコピーにある通り、『よくある異世界もの』とは一線を画しています。ご都合主義の対極にあると言っていいでしょう。多彩な登場人物のひとりひとりに魅力があり、ストーリーは読者の想定を軽々と越えていくものになっていると思います。一切、妥協がありません。主人公が終盤でとる行動とその結末は、ぜひ多くの方に読んでほしいと思います。ラストまで読み終わったとき、この作品を読み終わってしまったことを寂しく感じると思います。大河ドラマとか歴史モノの長編小説を読んだ時のような充実感と寂寥感と喪失感を覚える、不思議な魅力のある作品です。

★★ Very Good!!

魔族と機械族、相対する陣営に分かたれた先生と生徒。
正義と悪。子供心に抱えた単純な二元論は歳を重ねるにつれ幼稚なものとして薄れゆくも、いつの間にか気付かないうちにどこかで新たな「正しさ」に縋ってしまう自分がいて・・・
そんな矛盾を克明に映し出すのは、巧妙かつ無駄のない、非常によく練られたストーリー構成。
虚飾を排したシンプルな言葉は、童話的空気を醸し出すとともに、難しいテーマを読み疲れることなく読み切ることを可能にしています。
完璧な解決を求め、自分を犠牲にしても全てがうまくいく方向に突き進む・・・それは確かに尊い行為でありつつも、やはりどこか独り善がりな「正義」に囚われてしまっていた部分は無かったか。
しかし一方で、それぞれの正義に殉じて矜持を貫いた者たちの末路を無意味なものと断じることも、自分の「正しさ」を振りかざして他者を否定しているだけではないのか・・・
果てしない思考のせめぎ合いが読後に後を引く、心に残る作品です。

★★★ Excellent!!!

繊細な描写を省くことで読みやすさ重視にテンポを上げ、しかし淡々と語られるのは濃密な人間ドラマ。これだけの詰め込まれたような展開で読み手を魅了する作者様の技量は必見です。

また、主人公が転移した世界で繰り広げられる国家間戦争にも注目です。主人公が関わってくるのは言うまでもありませんが、実は彼の身近な人物もその世界に転移しており、その戦争に関わっていたのです。となると……何かに気づいて面白くなってきませんか??

ヒーローという結構ありがちなテーマではあるわけですが、他作品と比べた時の決定的な魅力がこの作品にはあります。それはずばり、『ヒーローとして相反する二人のヒーロー』です。これを国家間戦争に絡めていたのが大変秀逸でした! 物語のラストも切なすぎて感無量です。私的にはああなって欲しくなかったんですがっ!

★★★ Excellent!!!


 山あり谷ありでストーリーの流れとテンポは非常に良いです。
 キャラクター同士のぶつかり合いも、熱さや戸惑い、時に無常さなどがあって私は好きです。面白いです。
 冷静ながらしっかり熱を持つコウの人柄も、それと対比する、年相応のユメの単純さや苦悩・成長なども物語に華を添えています。

 ラストも良い。


 ただ前半と中盤、テンポが速すぎる部分が散見しました。物語が一巻の中に無理にぎゅっと圧縮された感じがしていて、一巻の文章量が服だとするならば、物語という体に服のサイズが合っていない気がします。あくまで個人的な感想ですが、これはもったいないです。

 サイドストーリーで補う形ではなく、この一巻本編を上下巻くらいに分けるつもりで、ゆったりと描かれたキャラクターや、彼らの戦うシーンなどを見たかったなぁと思いました。

★★★ Excellent!!!

これは面白かったです。キャラクターもですが、それ以上に組み立てが良いなあと思いました。
タイトルに込められた英雄と悪役と訳される言葉ですが、その中に宿る価値観へ向き合い、答えを出すことに挑んだ意欲作です。全編読んで初めてわかるこの意味を、是非多くの、特に思春期を終えて大人になる世代の方に読んで欲しいなと思いました。

★★★ Excellent!!!

救国の乙女と呼ばれたジャンヌダルクは、祖国フランスを救いながら、数々の陰謀により、火炙りにされてしまいます。
この物語に登場するユメも、純粋に悪を憎み、正義の為に戦いますが、いずれ、信じていた者の手により、処刑されてしまう運命だったでしょう。

その運命を変えるべく奔走するのが、ユメの部活の先生である、コウです。二人は異世界に転生され、歴史を動かす戦いに巻き込まれます。

異世界転生物ですが、転生された理由があり、偶然と言う訳ではありません。

そして、登場人物が魅力的で、仲間を想う気持ちに共感できます。

コウが、どうやってユメを救い、彼女をヒーローのままで居させたのか? その方法は、残酷な運命を受け入れる事だった。そして、コウを慕う仲間は、彼に命を預ける。

怒濤のストーリーに注目せよ!

★★★ Excellent!!!

この作品はカクヨムに登録する前からちょくちょく読んでいたので、ここにレビューを残したいと思います。

ただ、まだ半分も読んでいないので、ここはこうだ、あこはああだ、というふうに細かくは突っ込めないのですみません。

まずどうしてこの作品を読もうと思ったかなんですが、いろんな方々が残すレビューに魂を感じたからです。

実際読んでみると、すごく読みやすいですし、それなのに、ストーリーの内容、テンポは申し分ありませんでした。

今後、この作品のタイトルに込められた思いというものが一体どのようなものなのか。味わって読んでいきたいと思います!

★★★ Excellent!!!

異世界に飛ばされた先生と生徒が転移先での戦争に巻き込まれながら、「ヒーローとは何か」を主軸に進んでいくお話でした。
特に難しいあれこれとかもなく、キャラの立ち位置もかなり分かりやすいため、特撮ヒーローものっぽいノリでサクサク読めていきます。

……んですが、正直途中まで侮っていました(すみません作者さん汗)
あらすじを読んで一ページ目をめくって、「はっはーん、よくある異世界転移ものだな」というのが読み始めの感想だったのですが、読了後の印象ががらりと変わるお話です。

皆さん既に書かれていますが、特に主人公コウが何故異世界に召還されたのかを知ると、ぐっとお話に深みが出たように感じました。
また、それを知った後にコウが取った行動を考えると、ずっと謎だったタイトルの「ヒーロー&ヴィラン」の意味がすっと入ってきます。
それでいて余韻が凄いので、もしかしてあのシーンは……などと色々と想像が膨らみます。

きっとテンポがいいからこそ、最後の引きが上手いのだろうなと思います。
そういう意味ではまんまと策に嵌められました。

内容&技巧ともにお見事な一作でした。

★★★ Excellent!!!

最初にカテゴライズしてしまうと、ベースはいわゆる異世界転移系ファンタジーです。
導入部から中盤辺りにかけての物語の盛り上げ方とか、テンポのいい文体とか、近年のWeb小説で好まれるフォーマットが非常によく研究されていると思います。
読みやすくて、ストーリー展開も早いし、全体的に可愛い女の子キャラが多めで、異世界モノが好きな男性の読み手であれば、10万字がスイスイと読み終わってしまうでしょう。

ちょっと特徴的なのは、コウ&ユメという、男女のW主人公的なキャラ配置が成されていること、特に男主人公のコウは成人済みのキャラで、異世界転移以前から文武に人並み以上の能力を有していること、またいわゆるヒーロー物っぽいノリや要素が所々に取り入れられていることでしょうか。

……とはいえこの小説、個人的には読みはじめた当初と、読み終えてからの読後で、10万字という文字数から伝わる印象が、まったく異なるものになりました。
最初は「軽くて読みやすい10万字」だった物語が、最後は「高密度で忘れ難い10万字」になっています。
どういうことか? こればかりは実際に本編を読んで察してくれ、としか言いようがありません。
そして、すべての真相が明かされたとき、色々な部分がすとんと腑に落ち、衝撃と共に大きな納得感が得られると思います。

一応、私も過去に何度か異世界ファンタジーには挑戦した経験があるのですが、この種の物語はいいオチを付けて適切な分量で完結させることが、本当に難しい。
ましてや、戦争みたいなスケールの大きな展開を扱う内容だと尚更です。
そういった部分も含めて、ターゲット読者を巧みに引き込みつつ、おそらく作者さん自身が書きたかったのであろう要素も盛り込み、大変洗練されたカタチで完成された一作だと思いました。お見事です。

★★★ Excellent!!!

既に多くの方がレビューに書かれている通り、いろいろと考えさせられるお話。

しかしそれも、本筋のドラマがしっかりしているからこそで、だからこそ展開も見せ場も分厚い。10万字でここまで表現できるとは、前田さんあんた、天才か?

多くの方に最後まで読んでほしい。
私はしばらく余韻に浸ってからSide Storyに向かいます。

★★★ Excellent!!!

ヒーローに憧れるのは少年としては当然だ。
しかし少女だって憧れていた。
その少女が無断欠席したのを不審に思った教師が彼女を探しに行くと、唐突に異世界へと引きずり込まれ――

ヒーローとして敵を倒す少女。
ヒーローとは程遠い手段を取る教師。

2人の思想や各陣営の思惑、様々な疑惑が錯綜し、なにが正しいか、誰が正しいかが分からなくなります。

そして終盤の怒涛の展開!こういうの大好きです。

是非とも最後まで読んでほしい作品です!

★★★ Excellent!!!

よくある異世界転生ものなんですが、その中でもいろいろなパターンを組み合わせたり、取捨選択したりしながら設定を構築しているのが伝わるので、マンネリせずに読めました。

本編に登場する人物の出自が、別作品のサイドストーリーに書かれているので、そちらを読まないと判らない箇所もあるのですが、それはまたご愛嬌。知らなくても本編は楽しめます。

長く続く二大国の戦争を終結させるために召喚された先生と生徒が、各国の英雄として祭り上げられ、対決しなければならない悲壮感の演出がとてもうまく、刃を交えるたびにもどかしい気持ちになりました。
戦争シーンも(作者が歴史に詳しいだけあって)実際の合戦を参考にしているので無理なく戦略が展開しており、下調べと取材力も頭一つ抜けていると言えるでしょう。
ファンタジーだからと言って、調べ物なしで頭の中だけで書いているものはつまらないですからね。

異世界召喚されたコウが、なぜ時の旅人と呼ばれていたのか、その真実が明かされる終盤などは見事な真相解明でした。

どんな救国の英雄も、立場が変われば悪の首魁であり宿敵である。
ヒーロー&ヴィランというタイトルからにじみ出る板挟みの苦悩と、最後にコウが出した結論は、涙なしには読めませんでした。

★★★ Excellent!!!

異世界と言う人気ジャンルに、特撮風味の個性弾けるスパイスを付け加え既存のものとは一味も二味も違う作品に仕上がっていて素晴らしいと思いました。
また過ぎた俺TUEEEではないおかげで緊張感もあり、続きの予測できない展開は正直好きです。
正義を貫く熱いこの作品はコンテストも頑張ってほしいです。

★★★ Excellent!!!

異世界での戦争を描いた物語です。
正義を演じるヒロイン、悪を演じる主人公が戦争の中で戦いを繰り広げます。

正義とは何か。
悪とは何か。

戦争という舞台はその答えを出すことができるのか、とても読みごたえのある作品でした。


特に面白かったのは、主人公が度重なる戦略でもって、ピンチを切り抜けていくところです。
戦況が二転三転していくなか、的確に仲間に指示を出して、有利な状況を生み出していく名軍師ぶりは、カッコよくてすぐにのめり込みました。

★★★ Excellent!!!

この小説の前日譚『ヒーロー&ヴィラン~Side Story~』を読んだ際は、これは「正義とは何か、悪とは何か」を問う物語になると思っていました。
でも、本編を読み終えた後、そんな答えなどはどこにも無いのだなと感じました。

主人公のコウは魔族と機械族の幸福を願い、ラストである重大な決断をします。
コウはヒーロー(正義)だったのか、ヴィラン(悪)だったのか。
彼の行動は、彼のことをよく知らない多くの人間たちと彼の真意を知っている仲間たちで大きく評価が分かれることでしょう。

これは私個人の考えなので作者様の意図や他の読者の人たちと異なる意見になるかも知れませんが、コウの気持ちを知りもしない人間たちはもちろん、コウと共に戦ってきた仲間たちの「彼は正義か、悪だったか」の評価はどちらも正しいし、どちらも正しいとは言えないと思います。

コウは、傍目から見たら、かなりの人間を殺したし、欺いた。一番大切なユメさえもたくさん欺き、本意では無かったとはいえ彼女の心を翻弄して傷つけている。
でも、コウの胸の内には種族の関係無く幸せに暮らせる世界を作りたい、ユメを守りたいという純粋な心があった。それが彼の目的であり、誰にも真似をできない偉業を果たした。
ただ、その結果、コウにとって一番大切な人たちは幸せになれたのかどうか……。

正義や悪なんて人々の主観や立場で変わり、どれが真実だなんて言えない……。

コウの最後の決断は、自らを犠牲にして子供たちに未来を託そうという悲壮な決心だったと解釈できるけれど、教え子のユメに希望を果たして与えられたのだろうかと私は思ってしまう。コウと同じく教員免許を持っている私としては、コウは教師なのにあまりにも多くの嘘を生徒のユメに重ねたのではという思いにかられてしまう……。

これが私の個人的なコウへの思いです。

しかし、私の彼への評価もまた一個人の勝手な評価… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

魔族と機械族との間で繰り広げられる争いが語られる壮大なファンタジー。
それを織り成すのは、その異世界にやって来たコウとユメと、その二人をとりまく、個性溢れるキャラクター達。
王道ではありますが、随所に個性の光る作風に、楽しく読み進めさせていただきました。
物語が最高潮に盛り上がり、印象的に飾るラストシーンでは、読み手それぞれにとって、受けとり用があると思いますけど、自分は痺れましたね。
いったい誰がヒーローだったのか。
それはあなたの目で確かめてみてください。

★★★ Excellent!!!

二つ種族が互いに憎み、争い合う異世界に飛ばされた主人公の戦い。
登場人物たちにはそれぞれのバックストーリーがあり、皆魅力的ですが、個人的に飄々とした右近がかっこよかったです。
主人公の秘密、戦争の行方、そして「正義」を貫くために主人公が下した最後の決断をぜひあなたの目で。