スープの具

 ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』のライトノベルバトルアクション版だと思った。とにかく独特な文体で、独特な世界で、独特な登場人物達だ。
 一貫性があるようなないような、夢の中で飲み食いをするような場面ばかりだが、ブラッドなる存在がどうにか読者と作品を繋いでいる。まさに『血縁』だ。
 もうじきカエルが目覚めて盛んに鳴き出す季節になる。水田や用水路でそれを目にする度に本作を思い出しそうだ。