虫には愛があるのに、人間には冷徹な眼差ししかない。

なんというか、ほへーみたいな、人間はめんどくさいですねみたいな感じがあって、すごい世界を見てしまった感があります。コワイ。ほぼ地獄絵図だった。

何しろ愛の話なのに、愛される対象に対する魅力・関心の話が(性別以外に)ほとんどなくて、愛する自分の話しか出てこない。徹頭徹尾そのそれである。すごい。しかしそれも人間の真実なのかもしれない。そういうことまで突きつけられる。これは実はホラーなのでは?

というと批判してるように聞こえるかもしれないけど、そんなことなくて面白くて最後まで一気に読みました。そして震えました。きっとこういう物語はそこかしこに偏在するのでしょうね。奇妙な世界はあなたのすぐ横に、みたいな。やっぱりホラーなのかもしれない。

その他のおすすめレビュー

雅島貢@107kgさんの他のおすすめレビュー275