うん、刺激的過ぎる(色んな意味で)。
恋愛小説かいたことないけど、書くはめになった小説家。問題ない、が口癖だけど、問題ありすぎ発言連発。
主人公の性格がツッコミどころ、ありすぎて面白いです。天然すぎます、どうやっていままで生活できていたのでしょう。
でも、途中から、彼に惚れてしまいました。
キャラがたってます。ヒロインもかわいいし、周りのキャラも個性派ぞろい。
意外な展開もあります。
盛り上がる展開多数。
ハラハラな恋の行方、気になります。
感動もあります。
タイトル回収、最高です。
書籍化作品なので勉強のために読みはじめたのに、いつの間にか、ただ楽しんでしまいました。書籍購入して、再度勉強しないと!
男女が出会い、障害を乗り越えて結ばれるというのが恋愛小説の基本的なプロットで、その障害が大きなものであればあるほどフィナーレが盛り上がります。
本作は初っ端から「頭から卵をかぶる」という珍しいもので読者を惹きつけてくれます。
加えて、重くなりすぎない程度に描かれる犯罪や邪魔者の存在が、一風変わった主人公とヒロインの間をかき回しつつも、結果的に近づける役目を持っていて驚かされます。
また、物理的な障壁による会えない時間、秘密の仕事、同僚のプラトニックとは呼べない恋愛など、ページを進ませるネタが随所に散りばめられています。
濃厚な恋愛小説やディティールにこだわる方は物足りないと感じるかもしれませんが、簡潔な地の文の効果もあって、ライトな雰囲気を崩すことなく最後までストレスレスで読める点は素晴らしいと思います。
とても面白かったです。
スーパーで働く鈍くさいまひるは、まったく売れない作家に生卵を浴びせてしまう。
出会いは最悪。けれど、二人の奇妙な純愛物語がそこから始まる――。
自己中で不遜な只野先生は、もう最初は思わず飛び蹴りしたくなるほど俺様な性格。
対して、まひるは苦労しているくせに世間知らずで騙されやすく、とっても心配な27歳。
なのになのに、読み進めるうちに途中からどんどんこの二人のことが好きになる自分がいました。
只野先生なんて、株がびっくりストップ高のうなぎ登り!
まひるも、後半は面倒臭い只野先生をよしなにあしらって素晴らしい手腕です。
会話のキャッチボールも秀逸で、コミカルな部分は吹き出してしまうほど面白かったです。
これほどの恋愛物語に出会えたことを嬉しく思います。
ぜひ、多くの方に読んでいただきたいです!!
地面の下で煮えたぎる溶岩が地表に近い場所で少しずつ冷えて固まり、いつか採掘され、砕かれ、選別されてからまた高温高圧にさらされる。触媒を使って不純物を取り除き、残りが再び冷えて固まることで各種の金属が誕生する。
本作は、最初から黄金たるべく運命づけられた溶岩だろう。作者の心の中で渦巻く言葉が創作意欲や情熱によって読者に届けられる。左様、読者は溶岩を受け取る大地であり精錬する技術者でもある。
主人公の言動を受け取っていて、場違いにも故 司馬遼太郎先生の『関ヶ原(新潮社)』を思い出した。横柄傲慢な三成は実は繊細で細かい配慮の行き届く人間でもあり、詩人にでもなれば良かったなどとまでいわれる。無論、両作には一切なんの関係もないが、主人公が歴史小説を書きたがっているのでつい引き合いに出した。
さておき、主人公の性格ないし人格がどうしてああなったかは作中を確かめればわかるとして、当人の家に住み着いた人間とその友人との間の友情が本作の隠れた命題ではないだろうか。身寄りのない人間が友人の支援を受けるのは、特にああした人々の間では珍しくない。ないが、脆い。辛うじて、支援している側の感覚が不安定でされている側のそれが安定しているのがか細い橋渡しを繋いでいる。実のところ、支援されている側の人間の方が本当の意味での世間智には恵まれている。実に興味深いことに、支援されている側は実家の賑やかな人々が出てくる反面、支援している側は全く語られなかった。主人公や支援している側の相方でさえなにがしかの言及はあった。死別か離別かさえ(私が読んだ限りでは)わからない。洗練された人生を思う存分楽しんでいるはずなのに、ある一点を崩されたら……例えば、中盤に出てくるド外道のクズのろくでなしに一度素で騙されたら……若さと美貌をしゃぶり尽くされてしまうような危うさを感じた。支援されている側は、一条ゆかり先生の『正しい恋愛のススメ(集英社)』の名台詞を借りるなら『開き直れば女は強い』だ。この強弱逆転の妙もまた本作の醍醐味といえよう。
それにしても寸止めの好きな作者だ。受け取った言葉が黄金になるまでじっくり時間がかかった。その代わり純度は百パーセントだ。
とても面白い作品でした。書籍化納得の作品です。
恋愛小説を書くために偏屈な主人公があまりにも不器用にヒロインと関わる序盤のシーンから、ヒロインが監禁されてから頑張ってるうちに修羅場ったりするシーンなど、随所で盛り込まれるドラマ的展開がとても面白いです。
特に主人公の只野自体はとても小説的で特徴的な性格のキャラクターですが、周囲の恋愛観はリアルでそのギャップが楽しくなります。
おそらく書籍では規制されている表現などもそのまま読めるので、こちらではよりリアルな表現を楽しむことが出来たと思います。個人的にそういったシーンはぼかされない方が好きです。
もう最高に面白かったです。
オープニングは刺激的だわ、主人公のキャラは立ちまくってるわ、ヒロインは健気で可愛いわ、展開は意外性があってハラハラドキドキだわ、10万文字越えの長編なのに読んででまったくストレスを感じないわ。まさにネット小説の鏡。文句の付け所のない秀作でした。
そんな中で私的に最も関心したのは、ストーリー構成の秀逸さ。ギャグやら何気ない会話やシーンやら、すべてが伏線と言っても過言ではありません。
散りばめられたパズルピースがピタリとはまる快感。そんじょそこいらのミステリーも真っ青な巧妙さです。特に桃色の真相など「おおっ!」と思わず膝を打ちました。作者さまの確かな構成力に脱帽です。
読み進めるのが楽しくて楽しくてしょうがない。笑いありスリルあり胸キュン満載のエンタメ恋愛ストーリー。この充実の読書体験を、是非とも多くの方と分かち合いたいです。