まるで自分がキラキラとした童話の世界に入ったかのように感じる作品

 文章に輝きがあるとしたら、この作品はまるでガラス細工の様に煌めき、光を反射しているのだろう。
 本作を読み終わって感じたものを言葉に表すのであれば、まさしくそれでした。

「グリムノーツ」の二次創作である本作「灰の少女とガラスの騎士」は、ガラス細工の如き繊細さとバランスの上で書かれている作品です。
 様々な制約があるソーシャルゲームのシナリオ。
 その中で、その制約を感じさせぬまま描き切った手腕は見事であり、世界観のすり合わせやキャラの特徴把握と動かし方、そしてなにより原作の雰囲気を壊さずに自らの持ち味を出す技量は思わず唸らずにはいられませんでした。
 何より素晴らしかったのは、まるで童話の一ページを彷彿とさせる妙のある文章と、そこから生み出される幻想的な雰囲気です。
 これが『童話の世界を旅する』というグリムノーツのテーマとガッチリと組み合わさり、まるで自分自身が童話の世界に入り込んだかの様な気持ちになります。

(うっかりネタバレになるので本編の内容についてはあまり言えませんが……騎士っ娘いいよね。騎士っ娘。ああいうの、キャラ的にもストーリー的にも大好物でした)

 童話的雰囲気が好きな方、騎士っ娘好きな方、興味を持っていただいた方、全ての方におすすめしたい作品です。

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