終始比喩と心情描写が光っている美しい作品でした。エラの一礼とかその後の台詞とか痺れる。
誰の心にも残らないはずだけれどしっかり心に残る、そんな物語です。
寂しくも希望を感じさせる締めにはほんのりと涙が浮かびました。
原作知らなくても童話改変物としていけると思います。

こういうひとが物語をつむいでいく時代なのだろう。

シンデレラのお話が多くある中、切なくて綺麗なお話でした
。
最後に奇跡が起きて運命が変わる事はないけれど、あたたかい気持が残った。
彼女には、この想区で運命に振り回されないその後を送って欲しい。

全編にわたり、詩的な表現がきらりと光る作品。
頭ではなく心で読む、風景というよりも情景を想起させる、そんなお話です。
完全に理解できるまで何度か読み返しましたが、ストーリーラインもしっかり繋がっていました。
原作に忠実なところも好感。

　紡がれた伏線も鮮やかに、短い中でくるくると物語が動いて引き込まれていった。幾重にも重ねられた意味に気付く頃には、彼女の希求に読み手である私たちに深く突き刺されているだろう。
　彼女たちの行く末にハラハラとしながらも、『騎士』という存在にどれだけの思いと、憧れが其処にあるのかをしっかりと描き切れたからこそ、既存の物語にとらわれない彼女の為の想区が作り上げられていると思う。

こういう、凛とした人物がひとりいると話が引き立ちますね。

作品の世界に引き込まれました！

想区の設定、物語、キャラクター……どれを取っても魅力的で、最後まで面白かったです！
特に第五話の盛り上がりは最高だったと思います！

感動的かつシリアスな物語でありながら、きちんとユーモアもあり、ただ残酷なだけでもない……素晴らしいバランスだと思いました！

小説としての完成度が高く、雰囲気のある描写もあいまって、ファンタジーを堪能することができました！

戦闘シーンの描写が好きです
楽しい時間でした、ありがとう！！

「童話」特有の完成された世界と不安定な人物の心境がとても素敵でした。
読了後ついため息をつくくらいに読み込んでしまうような引き込まれる文章で、キャラクター、情景描写、世界観がバランスよくあるからこその本作であったのかなと思います。
残酷でありながらも美しい、そんな世界観の童話を読みたい方にお勧めしたい作品です。

　文章に輝きがあるとしたら、この作品はまるでガラス細工の様に煌めき、光を反射しているのだろう。
　本作を読み終わって感じたものを言葉に表すのであれば、まさしくそれでした。

「グリムノーツ」の二次創作である本作「灰の少女とガラスの騎士」は、ガラス細工の如き繊細さとバランスの上で書かれている作品です。
　様々な制約があるソーシャルゲームのシナリオ。
　その中で、その制約を感じさせぬまま描き切った手腕は見事であり、世界観のすり合わせやキャラの特徴把握と動かし方、そしてなにより原作の雰囲気を壊さずに自らの持ち味を出す技量は思わず唸らずにはいられませんでした。
　何より素晴らしかったのは、まるで童話の一ページを彷彿とさせる妙のある文章と、そこから生み出される幻想的な雰囲気です。
　これが『童話の世界を旅する』というグリムノーツのテーマとガッチリと組み合わさり、まるで自分自身が童話の世界に入り込んだかの様な気持ちになります。

（うっかりネタバレになるので本編の内容についてはあまり言えませんが……騎士っ娘いいよね。騎士っ娘。ああいうの、キャラ的にもストーリー的にも大好物でした）

　童話的雰囲気が好きな方、騎士っ娘好きな方、興味を持っていただいた方、全ての方におすすめしたい作品です。