見えない方が主人公という斬新な切り口。

 美少女が日本刀を振りかざして怪異を一刀両断! 本来ならばこの美少女が主人公になるはずだが、この作品は違うのだ。何と主人公は怪異が全く見えない、聞こえもしない、効かない、という平凡な美少女の兄だ。
 全くもっての鈍感さゆえに、怪異の攻撃が効かない。故にある意味怪異に対しては最強。どんな攻撃も見えないし聞こえないし、効果がない。ただただ怪異を倒すために戦う妹を愛してやまないのである。
 そんな主人公がひょんなことから学校にまつわる怪異の調査を依頼され、友人と一緒に学校の怪談を検証し始めるのだが……。
 何やら主人公たちの周りでは剣呑な雰囲気もあり、物語は新たなステージに移行する予感。でも、そんなことも主人公は気付かない。平凡な学生生活を送るのである。
 参考文献や参照文献、参考URLがあることも良かったです。小生も常光さんや宮田さん、小松さんは好きな研究者です。やはり文系は参照文献が勝負どころという一面もありますから、とても好印象でした。

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