壮大な世界観と、メリハリのある話の構成に圧倒されます……!

 まず、まだ連載の途中で書いたレビューとなりますが、現在の時点でもう100万文字を超えている作品となります。

 それだけでも、この物語が持つスケールの大きさを間接的に感じることができますが、ただ長いから――ではなく、圧倒的なまでに広い世界観を構築しているのが、この作品の最大の魅力ではないかと思います。

 何をもって『壮大な世界観』と言えるのか、その判断基準は様々でしょうが、個人的に何より感じ入った部分は、物語の中にいろんな国、団体、個人が登場しているから……だけではなく、それぞれの人物が、それぞれの思惑を持ち、互いに対立し、また時には手を取り合って、それらの集合体として一つの世界が成り立っているという、しっかりとした基盤、土台が作られているという点でした。

 そして、そんな巨大な世界観の中で、締めるところはきっちりと締めて、またギャグを取る場面は全力でギャルに走る、そんな話の展開の上手さは筆舌に尽くしがたいところがあります。

 特に、読む側の予想の斜め上をいくような展開が出ても、それを話の流れに違和感なく溶け込ませるのがすごいと感じました。

 またそれと同じ脈絡として、ファンタジーならではの新しい概念、法則などにもこだわっており、いわゆる『とんでも』、『チート』的な説明不可能な何かに頼るのではなく、それらの概念をちゃんと理屈を通して成立させていて、読む側としても納得のいく説明がなされているのがよかったです。

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