互いに深く傷ついていた二人が、互いを想っていながらも擦れ違い、でも最後には寄り添い合える関係。そんな二人の心の葛藤を丁寧に表現されていて、素敵だと呟いてしまえるほど。情景描写も物凄く丁寧で、頭の中で風景が思い描かれました。凄く透明度の高いお話だと思います。読んだ後、心がすっきりと洗われるような気分になります。読破した後、思わず泣いていました。
端正な文章で綴られる、情緒溢れる恋愛小説です。お互い相手が好きなのに、傷つく事が怖くて心を曝けだせない。臆病な彼らが、どうしょうもなく愛おしい。触れそうで触れられない彼らの距離感に、どきどきしました。
婚約者を失った恭介。姉を失った時生。大切な人を失った二人は、夜光魚という架空の生き物を通して互いに惹かれ合っていく――雑味のなく透明度の高い表現。夜光魚を始めとする、昔の日本なのにどこか遠い世界の水のものたち。それらの描写が、舞台は夏だというのに、一切の暑気を感じさせず最後までサラリと読ませてくれます。読後には清涼感、そして温もりが感じられることでしょう。ん、じゃあなんで星二つかって?あたしゃね、びいえるは専門外なんですよ(血涙)
夏の暑さや蝉の声、元気な子供たちの声が聞こえてくるようでした。2人の時間がゆっくりと過ぎているようで、これからどう変化していくのか楽しみです!
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