明治三十五年。この夏は冷たくて、温かい。

婚約者を失った恭介。
姉を失った時生。
大切な人を失った二人は、夜光魚という架空の生き物を通して互いに惹かれ合っていく――

雑味のなく透明度の高い表現。
夜光魚を始めとする、昔の日本なのにどこか遠い世界の水のものたち。
それらの描写が、舞台は夏だというのに、一切の暑気を感じさせず最後までサラリと読ませてくれます。
読後には清涼感、そして温もりが感じられることでしょう。

ん、じゃあなんで星二つかって?
あたしゃね、びいえるは専門外なんですよ(血涙)

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