魂を救うための物語。

消失世界はSTCデータの書き換えによって生じた世界、ということを完全に信用する場合、いくつかの救われない魂、彷徨う御霊がどうしたって生まれてしまうことになる。

従って我々は、存在する可能性があった並行世界という解釈を取りたい。取ることは可能である。そうですよね?

ところがこの解釈は、「あの世界」をある意味では否定する。してしまう。どうしたらいいのか? 「あの世界」を成立させたまま、俺たちの、そして、彼ら彼女らの魂を救うには?

という苦しみを解放する物語でした。よかったです。











ところで「この彼」には「あの出来事」の記憶がないが、しかし、この彼が存在したことそのものが、ありうべからざることで、ありうべからざることがありえた場合我々はそれをなんと呼ぶかというと、「運命」または「奇跡」という。これは運命と奇跡の物語でもあると思った。良さ。