淡々とした語りから癒えない傷が見える

うちの祖父は父方、母方共に大正10年生まれ。徴兵されて戦争に行きました。

父方の祖父は、広島勤務だったのですが、8月3日頃に人事異動が発令され、祖父を入れてほんの数人の人が呉に転属になり、3日後。あの日がやってきました。
前の部隊にいた方は大勢亡くなったそうです。


母方の祖父は、大学生だか予科(現在の大学1、2年生の教養期間)在学中に学徒出陣し、戦後、結核になったり、家が傾いたりで、復学できませんでした。
それでも大学のことが大好きで、子供は自分の出身大学に入れたいと話していたそうです(母も私もそんなことつゆ知らず、私なんぞよりによって祖父の大学のライバル校に入学してしまいましたが笑)

二人とももう亡くなってしまいましたが、大人になった今、聞きたかったことがある反面、辛い思い出に違いなく、悪くて聞けないだろうと思うところもあります。

この作品を読み、二人の祖父のことを思い出しました。
僅かでも経験者の方の声を聞くことができた私たちにできることは何だろうと、年の終わりに考えさせられました。

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