世界を危機に陥れる巨大生物と、それに対抗する人類の戦い――。
一見オーソドックスに見えるプロットですが、本作には同様のロボット作品にはない多様なプラスαが施されており、それがそのまま本作の魅力へと繋がっています。
中でも、無機質なほどに淡々としながらも、生物が持つ生々しさを描き出す戦闘描写は特筆ものです。この描写を行うために、主人公機【神牙】を、獰猛な怪獣の姿に設定したのではないでしょうか。
無慈悲に迫る【敵】の暴虐に対し、それを更に上回る暴虐で叩き潰すカタルシス。血煙舞う【鉄】の臭いにむせたいという方は、ぜひ追い続けるべき作品です!!
ダイナミックなアクションが熱いロボットものの作品です。
しかし僕は、主人公たちが繰り出すロボットよりもまず、敵である巨大生物に心を奪われていました。
その描写が凄惨で、とにかくエグいことエグいこと。
よくここまでおぞましいものが描けるなあと思っているところで主人公たちの機体が登場、迫力あるバトルが繰り広げられます。
そして勝利をおさめたあと、僕は喜びを感じる前に、ああよかったとホッとするんです。
それほど敵の圧力がすごい。
主人公たちの狂気めいた強さもすごい。
それと主人公主人公と先ほどから書いておりますが、メインキャラは女の子だったりします(ここ重要!)
日常の何気ないシーンも楽しく、中には百合ちっくな展開も起きちゃったりしますぜ!
人型機械『アーマーギア』が普及した近未来を舞台に紡がれる、人類VS異形という構図のロボットアクション小節です。
本作を語る上で外せないのが、主人公の駆る『神牙』を始めとした怪獣型のロボット『アーマーローグ』。人類の災厄たる異形に対抗すべく、結果的に人型から怪獣型へと形状が変化していったという経緯は、設定にリアリティのある説得力を付加すると同時に、形容し難い高揚感を感じさせてくれます。
また、機械仕掛けの怪獣である『アーマーローグ』の繰り広げるパワフルな戦闘シーンも非常に魅力的。
敢えて言いましょう、これは『バイオレンスロボットアクション』であると……!
読めばハマる面白さ。是非一度お手にとってみてはいかがでしょう。