教室の片隅で少年は少女の幻影を見る

主人公の少年、佐野の前の席にはいつも儚げで目立たない蜃気楼のような静かな雰囲気の少女が座っていました。
しかしある日突然、別の少女が当然のように彼女の席に座るようになり、周りもそれを疑問とも思わない不自然な状況が発生します。
しかもその少女、柚木は佐野に対して特別な好意を持っているようで……。

主人公の少年が巻き込まれた不思議な状況と並行してある少女の過去の回想が描かれていき、物語が進むにつれて真相が明らかになります。

そこには残酷さと優しさが入り混じった切ない思春期の思い出が浮かび上がってくるのです。

読みやすく、謎解き要素もあるので軽い気持ちで楽しむことができると思います。

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蜃気楼の教室