概要
罪の償いは幸せの放棄ではない
ある女がある決意を胸に秘めて帰郷した。過去と向き合うこと、罪を償うこと、そして幸せを求めること。第45回北日本文学賞三次審査通過作品。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★ Very Good!!神様の居る場所
秋口さんの作品の中では珍しく、詳しい背景を知る事の出来た内容で、とても読み応えのある骨太な短編だという印象です。
神様の正体というものは、良心だと自分は思っています。そして彼女を許さないのは、良心の中にある、神様なのでしょう。被害者と呼ぶべき、迷惑をかけた親の心を知れない状況ならば、尚更。
罪を犯す人は、因果応報なんて考えない。考えたら、潰れてしまうから。だから必死に目を背け、反省する事なく、繰り返す。
だけど、それが出来ない人も居る。自分の罪に気が付いてしまう人も居る。
そして償いのために「幸せを放棄しなければ」と、考えてしまうのでしょうね。
自分なんかが幸せになっていい筈がない……と…続きを読む