《鬼憑き》関連設定

※本編のネタバレが含まれます。

 本編読了後の閲覧を推奨します。







●《鬼憑き》の概要

 命の危機に瀕した際に《鬼肢》と「願いを叶えて貰う代わりに他の《鬼肢》を喰らう」という契約を結んだ女性のこと。

 公式には「突発性欠落部位再生症候群」の患者とされているが、実態は鬼に取り憑かれたと言った方が正しい。

 約二週間ごとに自分以外の《鬼憑き》を、自身の《鬼肢》に喰わせなくてはならず、それが出来ない場合には、自身の《鬼肢》に食い殺される。

 しかし《鬼憑き》以外でも、女性であれば食べさせれば一時的に《鬼肢》は満足する。そのため多くの場合は、見つけにくい《鬼憑き》よりも一般女性を襲うことになる。


・外見

 額の両端から白いツノが生え、両目の虹彩が金色に変わる。

 頭髪が急激に伸びて、体の一部に黒と黄色の斑縞模様をした鬼肢を持つ。




●《鬼肢》について

「身体の一部が欠損ないし病などによって破損している瀕死の女性」

へ接触し、欠損部位に擬態し寄生する超常的存在。

宿主の肉体に擬態した状態では《鬼肢》であるかどうかの判断は不可能。

宿主である《鬼憑き》の意思によってのみ、擬態を解き本来の姿を表す。

《鬼肢》は擬態した部位の能力を強化したような能力を持つため、生身の人間では対処が難しい。また本来の姿には必ず「口」にあたる部位が存在する。



⚫︎《鬼肢》の能力・条件

1、擬態能力

  再現率が非常に高く、現代医学では判別不可能。


2、鬼憑きの生命力を向上させる能力

 ・契約した段階で、宿主の老化及び成長は止まる。

 ・即死でなければ、どのような怪我や病も治癒する。

 ・但し、肉体を再生している間は他の能力が著しく低下する。

 ・死んでから蘇生できるのは「死にたくない」と願った鬼憑きのみ。

 ・「死にたくない」もしくは「生きたい」と願った鬼憑きは不老不死となるため、鬼肢以外のすべてが消失するような目に遭っても肉体を再生することができる。但し、鬼肢が損壊ないし他の鬼肢に取り込まれた場合はその限りではない。


3、強度

 ・現代の科学、物理的方法では擬態を解いた鬼肢の破壊は不可能。

 ・鬼肢を破壊できるのは鬼肢のみ。

 ・人体に擬態している際は人体並みの強度だが、すぐに治癒する。


4、知能

 ・鬼肢そのものの知能は低く、昆虫と同程度。

 ・鬼肢自体には、通常の人体と鬼肢を区別する能力はない。


5、食人方法

 ・人間を食らった際には、自身の鬼肢と同じ部位だけ食べ残す。

 (必要ないため)

 ・人を喰らう方法は鬼肢の部位によって異なるが、最終的に「食べ残し」以外は全て喰らい尽くす点は共通している。

 ・人ひとりを喰らい終わる時間は約1分弱。(個体差あり)

 ・食人を要求するのは、宿主である鬼憑きの願いが叶った後。

 ・食人を要求する頻度はに週間前後。但し鬼憑きを食らった場合は1年前後。


6、食われた鬼肢

 ・食われた鬼肢は、1年の後に再び霊体となって別の宿主を探すようになる。

 ・食われたからといって、食った側の鬼肢の一部になることはない。

 ・故に鬼肢の総数はどれだけ時間が経っても基本的に増減しない。

 ・食った鬼肢を、自身の物とできるのは《脳髄の鬼肢》のみである。




⚫︎《鬼憑き》の深化

 鬼憑きは、鬼肢を宿しつづけた年数が長ければ長いほど、鬼肢との結びつきが強くなり一体化していく。

 最初は首を落とされれば一時的にしろ死んでいた鬼憑きでも、数年に渡って人を喰らい続けてきた鬼憑きであれば意識を鬼肢に残して動き続けることが可能になる。

 これを《SCT》では「深化」と呼び、その段階を名称で定めている。


1、「生成り」

 ・願いを叶える前の段階の鬼憑きを指す。

  この段階では鬼肢との結びつきは非常に弱く鬼憑きとしての能力は最低限。

  いくら年数を経ても深化することはない。

  鬼肢の不活性化による「人を食わない鬼憑き」になれるのもこの段階。


2、「般若」

 ・願いを叶え、人を食らってしまった後の段階を指す。

  これが一般的な鬼憑きの状態。

  鬼肢との結びつきは強くなれども、能力の向上は限定的。

  せいぜい鬼肢の能力の行使の効率が向上する程度。

  それでも数年経てば、並みの鬼憑きでは太刀打ちできなくなる程度の強さを持つようになる。


3、「蛇」

 ・般若になった後、他の鬼肢を喰らい、

  なおかつ肉体を何度も破壊されたのち再生させた鬼憑きの成れの果て。

  この時点では鬼肢そのものが本体となっており、鬼憑き本人の精神や意識は鬼肢の中にある。故に、頭部を破壊されても行動し続けることが可能。

  また鬼肢と意識が一体化することで、能力を十全に使うことができる。

  この状態の鬼憑きを捕らえるには、鬼肢以外の肉体の総てを破壊することで、鬼肢の能力を治癒以外に使えないようにする事だと考えられていたが……。

  深山幸はこの段階まで進んでいた。


4、「真蛇(?)」

 ・可能性の上で議論されている存在。

  鬼憑きは他の鬼肢を喰らうことで、より鬼そのものへと近づいていく。

  ならば、全ての鬼を食らった者がいたとしたら? というもの。

  つまり《脳髄の鬼肢》が全ての鬼肢を喰らい、

  それら総てを自らの肉体とした時の状態とされる。

  





⚫︎鬼肢の正体

 その正体は、過去に肉体をバラバラにされて封印された⚫︎⚫︎⚫︎の身体の一部、その霊体である。

 彼女の願いは「⚫︎⚫︎⚫︎⚫︎⚫︎⚫︎⚫︎こと」であり、それ故に鬼肢は、他の鬼肢を求めるのである。

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姉たる千隼と鬼憑きの姉妹 忍野佐輔 @oshino_sasuke

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