傑出した鮮烈さ

 何よりも先ず、ともかく圧倒されたと言いたいです。
 構成や筆致の素晴らしさは言うまでもなく、この強烈過ぎる――それでいて細を穿ったまでのメッセージ性。
 現代への皮肉と言い表すよりは、本当に現代への問題提起なのだと感じました。
 倫理――モラルとは誰が作るものなのか。
 あるいは人間の根底には結局そのようなものなど初めから無く、自らを騙し、律する為の方便なのか。
 作中の全ての言葉にすら余す事なく意味があるのではと、何度も読み返し、考察してしまいます。
 このような作品に出会え、感動でした。

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