次世代サスペンスの極北、プロにふさわしい風格です!

同名タイトル文庫本の後日談ということで、本編の補遺的な内容(死神に関することとか)かと思ったら、まさかの新作短編エピソードを引っさげて参られるとは、お見それしました。

しかも新キャラまで登場しておられる…それも今回限りのゲストかと思ったら、主役たちの仲間に加わって今後も登場し続けそうな雰囲気であらせられます。
第2巻が出るとしたら、このエピソードも収録されそうですね。じゃなきゃ「誰だこいつ!?」って言われちゃいますもんね。

『未来の死体が視えるので、それを防ぐために東奔西走する』というパターンの本作は、ある意味で「倒叙ミステリー」に属すると捉えています。
結果を先に提示して、そこから経緯を類推し、原因や犯人を突き止める。
異能要素も多分に混じっており、ライトノベルとの親和性も非常に高い。

未来の死体から逆算して、これから起こる惨劇を阻止する、というのは一種の「過去改変」にも通じるものがあり、変則的なタイムスリップものの面白さも一部内包しているように思われます。

夜子ちゃんたちの非日常ミステリー、今後も楽しみにしております。