第10話BITMAN
酒場にある扉を両手を突き出してあわや倒れそうになりながら外に出た。
地面が揺れてそれに伴うように体も左右へと揺れる。周りの奴らが怯えて逃げていく。
地震だ。馬鹿でかい。
一歩を踏み出すと片足の前に着地しもう一歩を踏み出そうとしたら何かに躓いて盛大に転けてしまった。
クソッタレ。なんてデカい地震なんだ。まともに前が歩けない。
這うように起き上がろうとすると誰かが俺の足を踏んで走り去っていった。
なんてクソッタレなヤツだ。謝りもしねぇ。
ふと視線を村の入り口の方へと向けると馬に乗ってない荒くれ者たちがこっちへと向かってきていた。
10人ほどが横に広がりスゲー速さで向かってくる。そりゃ馬も必要ないって感じに。
ようやく体を起き上がらせると一番速い一人が俺の目の前で止まった。俺よりも背が高い。
「#%>&¥!?」
「あ!?英語で喋れよクソッタレ!何がクソッタレガンデル語だ!」
ボロボロの滑舌で言い返すとそいつは左手を振り上げた。俺の身長の2倍は高いところで拳を握られている。ワオ。デケェ。喧嘩売ってやがるな。
あろうことかそのクソッタレは手を振り下ろしやがった。
面白い。買ってやろう。
腰の右側に差してあるレミントンに手を付け、親指でハンマーを下ろすと同時にホルスターに擦り付けるように前へと抜く。
感で頭に狙いを定めてトリガーを引いた。クソッタレの頭が汚らしく飛び散った。
後ろで控えていた残りの9人が唖然としていた。
俺は銃を完全に引き抜きそいつらに向かってレミントンを横にずらしながらファミングで撃ち殺す。
左手でハンマーを下ろして右手でトリガーを引く。それを5回で1秒もかからなかった。
残りの4人が俺へと走り寄ってくる。もうリボルバーのシリンダーに弾はない。
ベルトの左側にある全弾装填済みのシリンダーを抜きレミントンにある空のシリンダーを地面に落として換える。
目の前でご丁寧に一直線に並んだ4人はまともな的にもならずに斃れた。弾が真っすぐに飛ぶとも知らない馬鹿どもが。
「ガンデル語は分からないって言ってんだろ!頭に穴が空いて少しは聞き取りやすくなったか!?俺が喋って聞けるのは英語だって・・・死体に俺は何を言ってるんだ。」
死体を踏まないように避けようとしながらも躓きつつ、やっと馬小屋まで辿り着いた。
そうするとカルが「何かあったの?」なんて聞くもんだから「酒を飲んで疲れたから寝る。明日に雑貨屋に行くよ。」とだけ残して眠りに落ちた。
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