かけがえのない読書体験をあなたに!
- ★★★ Excellent!!!
二百万字弱で紡がれた膨大なストーリー。
確かに、WEB小説の体裁に慣れ親しんだ人であれば、気後れして回れ右をしてしまうのかもしれない。
だが、ちょっと待ってほしい!
自分はこのカクヨムに「小説」を読みに来た! という方であるならば、それはもったいない! もったいなさすぎる!
物語の注目点、要諦、あらすじについては他に優秀なレビューが多いのでそこを参照いただくとして、私はこの小説がいかに「読みやすいか」ということを語りたいと思います。
まず、話が小難しそう、とっつきにくそう、と思ったあなた。それは誤りです。
この小説のツカミ、骨子の部分は「ボーイミーツガール」なんです。
ひとりの青年とひとりの少女が出会い、デカい事件が動き出す! 極限まで簡略化するとそういうことなんです!
そこを押さえた上で読んでいきましょう。するとあら不思議、色んな読み方ができる、ということに気がつくと思います。
ミステリー? ファンタジー? SF? 恋愛もの? 人間ドラマ? 任侠もの? アクションもの?
もちろん、これらがとっ散らかっていたら読みにくいことこの上ないですが、この作者さんは違います。全部綺麗に纏め上げて、しっかりと書き綴ってくれています。
なので読者は迷うことなく、好きな読み方ができる!
話には一本筋がしっかり通り、見せる、読ませる点では全くブレない。だから読者は安心して、ミステリーが好きならミステリーの、恋愛が好きなら恋愛ものの、人間ドラマが好きなら人間ドラマを……という具合に好きなところに注目しつつ、自由に読めるのです。
章の合間にはあらすじと人物紹介も挟まり、親切この上なし。
話のここに引っかかるかな、というところに手を差し伸べつつ、肝心な部分は黙ったまま、読書の楽しみを奪わない。
なかなかありませんよ、こういう小説、こういう作者さんは!
どうです? 最初に「二百万字弱もあるのか……」と思ったあなた。
そうです。二百万字弱もあるんです。どっぷり浸かればもう、それだけたくさん楽しめてしまうんですよ!
そんな私のおすすめの読み方は、もちろん人間ドラマ。
ヒトクセもフタクセもある連中が織りなすドラマですもの、面白いに決まってます。
それを軸に、ミステリー、恋愛などの色んな見方を加えることによって、また見える景色が、その彩りがどんどん変わっていく――
とまあ、こんな私の出来の悪いレビューをつらつらと読んでいるヒマがあったら、すぐに本文へゴー!
一緒にこの小説の世界にどっぷりと浸かりましょう!