涙とは、人の心を照らす灯り。

すぐに泣いてしまう少女ジェミーちゃんを巡る童話。
干ばつが続く中、食糧難にあえぐ村の様子が迫真です。また、泣いてばかりで労働力にならない少女ジェミーちゃんをいじめる子供たちが悪辣で、丁寧語のおとぎ話調な文体にも関わらず、身につまされました。

飢饉も深刻化し、穀潰しなジェミーちゃんを待ち受ける過酷な受難は、読者まで泣いてしまうこと請け合い。
だからこそ、結末を読み終えたときの清涼感は格別でした。