酒を飲むために蛇に足を描くということわざの話


「あー、その、なんだ」

 彼が少しだけきまずそうに言う。

「なんでしょうか?」

「その、ええとだな。安心しろ、というのもおかしいが……。この、これの交換の儀式は、まだやっていないからな。『そんなのどうでもいいと言えばどうでもいいんだけどね、やるからには盛大にしないといけないの!』だ、そうだ。今はまだ準備をしているところだからな。お前も、たぶん呼びつけられるだろう。迷惑だろうが、顔を見せてくれ」

「それは光栄です。同時に、安心しました。ええ、楽しみにしています。安来節でも練習しておきましょう」

「お前にそんなことをさせたら、誰かに怒られそうな気がするからやめてくれ」


(おわり)

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ある少女の憂鬱の思い出 雅島貢@107kg @GJMMTG

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