概要
さあ、召し上がれ……
出来心 つまみ食い ご注意
四月の魚は 泥沼の主
春啼き猫と桜の輪舞曲
四月の魚は 泥沼の主
春啼き猫と桜の輪舞曲
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!le Poisson d'avril… 《桜》に溺れる魚
エイプリルフールを基本の題材として複数のお題を絡めて紡がれた、愛と不実の短編小説でございます。
福渡 慶子は細やかな嘘をついた。それはおおきな喪失に繋がった。芳乃 加寿美は裏切りの嘘をつかせた。それはみずからの喪失に繋がった。ひとつは不倫された女、もうひとつは不倫していた女。どちらにも人生があり、どちらにもやり場のない諦観があったのだと思います。そうしてどちらも喪った……。
それにしてもなんて美しい描写でしょうか。
細い筆で繊細に画かれた水彩画のような。読んでいる最中に目蓋をおろすと、美しい風景がぶわりと拡がり、桜の水鏡に取り込まれてしまいそうになるほど。美しい表現に溺れる、とはまさにこの…続きを読む