武術の造詣のある作者様が武術を描写する時のコツを伝授してくださるエッセイです。
アクションシーンは、単調になりがちだったり、リアリティがなかったり、そもそも何を書いたらいいのか分からなかったり……と悩み多き場面ですが、強い戦士を書こうと思ったら避けて通れませんよね。
そこを助けてくださるのがこちら。
徒手空拳から始まって剣や槍の使い方まで説明してくださっています。
なるほど物理学の世界です。
間合いの取り方や攻撃線など、説明がたくみなのでパッとイメージできますが、言われなかったらきっと分からなかったこと、たくさんあります。
こちらの作品を読み返しつつ、私もアクション映画を見ようと思います。
昨今、とにかく物書きには厳しい時代である。
何しろ嘘がつきにくい。
そして、面白さの為の妥協や嘘をつつかれるのも容易にされてしまった。インターネットのせいでもあろう。
だが、物書きの垣根は圧倒的に下げた。
web小説なんてものが隆盛になったのもまた事実で、こちらの調べ物にも重宝するものだから功罪甲相半ば、か。
そんな中、目に入ってきた作品である。
バトル展開は、血湧き肉躍り、読書を楽しくさせるものだ。その指南書である。
楽しく読ませてもらった。
また、体験や知識というものを知恵として作品に昇華させる助けになるし、その導きを示してくれる。何も武術に限ったことばかりではあるまい。
どこかにリアリティを差し込むことで、描写はグッと向上するのだろう。
というわけで、私もひとつ恥をさらそう。
格闘ゲームをかつては好んで遊んだ私だが、連続技を実際に身体を動かして無理はないか試してみたことがある。
決して、人に見られてはならない。