同作者のケイオスハウルを読んでいると、そちらの一部補完と読めなくもない一編。ホラーとしての怖さよりは、奇妙さ、「ちょっと不思議」なお話。3500文字とかなり短いので、その「ちょっと不思議」にひたる時間は短く、もっと長く楽しみたかった、と思う。というかあの口調はあんたのしわざかっ!
クトゥルフ神話やケイオスハウルを知っている方には、ニヤリとできるファンサービス的作品であり、そうでなくとも短編として上手くまとまっているお話でした。物を書くマシンと、それと出会ってしまった精神科医。その交流の果てに、待ち受けるもの。あまり今作と関わりはないかもしれませんが、人口知能の書いた小説が受賞したニュースを想起させました。『人ならざる者』の書いた物語を受け入れた時、はたして何が待っているのか?宇宙の深淵を覗くようで、ぞっとしますね。
興味深い寓話のようなストーリー。 パソコンに何が宿っていたのだろうか?
本作は、人と『何か』による対話の物語である。クトゥルフ神話と銘打たなくとも、作品の輝きが失われることがない完成度である。しかし、クトゥルー好きとしてはメモ帳の主が、あ奴であるほうが楽しめる。ラストの平穏に伴うペーソスを読んで感じてほしい。
舞い降りたのは文芸の女神ミューズかと思いきや……。言葉の力は恐ろしい。人間たちはなすすべもなく侵食され、洗脳される。主人公の世界はこれからどうなってしまうのか。そして。主人公が望んだ「願い」を、この神はどのように解釈し、具現するのであろうか。それを想像すると、とても怖い。
三文稼げぬ物書きの精神科医、出会ったのはモノ書く機械だった……!?荒唐無稽 奇々怪々 そんな筋書きストンと落とす華麗な文体、チラッと覗いて読んでみよ!
異聞ということなので、ケイオスハウルを読んでからの方が間違いなく楽しめる一作です。しかし、知らなくても十分に楽しめる物語であると思います。自分が精神の病気であるのではないかと疑いながらも、自ら物語を創り出そうとする機械と対話を重ねる主人公。機械の最後の問いに、狂気の世界に踏み入ろうとする彼。踏みとどまる事は出来るのか、それとも踏み込んでしまうのか。読了後、主人公の決断を皆さんは肯定しますか?否定しますか?
ラヴクラフト全集をかじる程度にしか読んでいない僕でしたが「クトゥルフ味」を充分感じられる内容でしたケイオスハウルとの適度なつながり方でムフフとなり読み切ったあとの後味でクトゥルフらしさを感じて唸り同じ活動をする者として「わかる」ところがあって不思議な気分になれましたケイオスハウルをまだ完全に読めていないので、作品間のクロスをしっかり読み込みたいところです