第33話 お姉さんがきた日

雨の夜、かぼそい声で鳴いてる子猫

車に跳ねられた子猫

それが、お姉さん。


家で看病しているうちに住みついてしまいましたね。

朝は、誰より早く起きて、ごはん ごはんと顔を舐めたり叩いたり

水を飲むのが下手くそで、いつも、お皿の周りはバシャバシャでした。


出窓の陽だまりが大好きで、いつもそこから外を眺める。

しずかな場所を好む、しずかな猫でした。


1年後、弟が来た日、小さな子猫の毛づくろいをするアナタ

弟は臆病で、物陰に隠れてばかり

そんな弟を探すのはアナタの仕事でした。


弟はすぐにアナタより大きくなりましたが臆病なままです。

気の強いアナタには遠慮がちでした。

もう一人の弟は、やんちゃでアナタは苦手だったようです。


アナタが年老いて、静かな窓辺で眠るように逝ってしまった日

あれからしばらく、弟達はアナタを探していましたよ。

何日も、何日も、アナタを呼ぶように鳴いていました。

庭の木の下で眠ってますか?

木に日が差す春の日、陽だまりのアナタを思い出します。

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