グレード5




■ブラックスロート

・概要

所謂「名前持ち」の飛竜。グレード5相当。

全長四〇m以上、翼長三〇m以上。通常の飛竜より一回り大きい。

その名の由来は、ノド元に黒い斑点(おそらくDデイで受けた傷跡)があることから。

シェルビーピーク八カ村を一夜にして滅ぼし、城砦都市セント・ジョージの戦闘車両部隊約一〇〇両を壊滅させた。別名「災厄の飛竜」。

エースのカーティスを葬るも、テールハットでレストアされたゼロにより倒された。

老獪にして狡猾。他の飛竜にはない特殊能力も持っていた。


・特殊能力

全身を青い燐光のような光で包み、高速で飛翔する「リンドブルム」。

二〇世紀末、翼を磁場で覆うことで空気抵抗を減らす技術が研究されていた。原理的にはこれと同じで、全身を包む磁場で空気の流れを効率よくコントロールすると共に、推進用磁場で加速を行うのだ。その速度は、時速九〇〇キロをゆうに超える。

また、空中で無数の散弾に拡散するプラズマブレス「ライオットブレス」も確認されている。

これらの能力はカーティスとの戦いで重傷を負った後、発現している。おそらくレストア戦闘機に対抗するため進化したのだと推定される。




■サンダーヘッド(雷雲竜)

・概要

全長四〇メートル。蛇のような長い胴体、細く小さな脚と東洋の竜のイメージ。

アリゲーターに似た頭部には、クリスタル状の角が六本。その角の周囲と首の付け根には銀灰色のたてがみがあり、そのまま背中から尾へとストライプ状に続いている。

Dデイ直後から城砦都市サン・ウェスト近郊の岩山フィラメント・ロックに住み着いた。

他の竜のように、兵器に例えることができない特殊な竜である。

6.34日に一度、洞窟を出て湖に面した断崖に立つがその理由、目的は不明。

一説には、他の天体/惑星へ通信を送る定時連絡であるという。


・特殊能力

球電ボール・ライトニングを生み出し、これを武器として使う。

また金属弾や炎を退ける電磁障壁を展開することで、鉄壁の防御力を有する。この電磁障壁は105mm無反動砲の攻撃にもびくともしない。

これに必要な膨大な電力は、住み処にしている岩山の圧電効果、その近辺の〝竜の森〟が上空に作る雷雲から得ている。

身体が超伝導体であるため、金属質の武器を撃ち込まれると、そこに高熱が発生し大きなダメージを受けてしまう。この現象は「クエンチ」と呼ばれるもので、超伝導体に伝導体が接触することでそこに電子の流れが停滞、発熱するというものである。

電磁気に由来する特殊な感覚も有しているらしく、森の中に隠れた兵士や地中に埋設された地雷などを正確に探知していた。




■シーサーペント(海蛇竜)

・概要

全長40m~80m以上。(未確認)海中に出現した巨大なヘビのような姿の竜。

目撃例がDデイのみ。人類の海洋戦力のほぼ全てがこの種によって壊滅させられた。交戦した艦船の生存者が極めて少ないことから謎が多い。


・特殊能力

水中を90ノット以上の速度で泳ぎ、潜水艦を一撃で破壊する|衝撃波弾(ソニックプラスト)を発射する。

高速移動はスーパーキャビテーションと電磁推進の両方が関わっていると推定される。

ソニックブラストは、長大な身体を共鳴器として使っているものと考えられている。



※グレード5以上クラスの竜はまだ確認されていない。

 しかし、その存在を否定する根拠はない。

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