冒頭ワンセンテンスで確信できる本物感、SF×ミステリの粋

父親の自殺の真相を探るミステリであり、運動音痴で内向的な主人公の成長物語であり、人工知能を巡るSF小説でもあるこの作品。

一読すれば、作者さまの文章力の高さや頭脳の明晰さ、バックボーンとなる幅広い知識が過不足なく伝わる一作です。
文章に滲む誠実な人柄というのも加点対象でしょうし、AIのくだす最後の結論も泣かせる名台詞に仕上がっている。
スタンドアロン型のAIと、内向的な主人公がリンクし合っているのも芸が細かいです。

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