Answer13

■結果説明■


 『小説家になるのに資格はいらない』と誰かが言いました。

 真実ですが、やはり人間向き・不向きがあります。


 【《問01》小説・物語を書くのが好きだ】は大前提です。これがNO――嫌いなら、なんで書いているのか、という話です。


 【《問02》文章を書くこと・言葉遊びが好きだ】は、もっと細かい部分です。

 物語を書く=文章を書くと考えがちですが、異なります。

 わかりやすいところだと、推敲すいこうできる? 誤字・脱字を指摘して、ちゃんと直す? という話です。

 これ嫌っていたら作家に向かないのは、理解できるでしょう。


 【《問03》文章を書く習慣がある】も当然なのですが。

 気分で筆が乗らない時もあります。そういう時、どうしますか? 気分が乗るまで待ちますか?

 NO――習慣がない人は、作家としては危険です。

 これは経験則ですが、最悪一日に数十文字でもいいですから、書く習慣がないと、いずれ書かなくなります。

 人間は楽なほうに流れる傾向がありますから、どこかでボーダーラインを自分で作っておき、「いつかやる」を「今やる」にしないと、ずっとやらなくなるのです。


 【《問04》アウトドア派よりはインドア派】は、なんとなくご理解いただけるかと。

 アクティブな人間は作品が作れないというわけではないですが、机についてパソコンに向う、軟禁状態に耐えられなければ、作品は作り続けていられません。



 ここまでは、かなり大まかな意識調査です。

 ここからは、作家としての目的意識です。



 【《問05》尊敬できる作家がいる】

 尊敬できる作家は、いないよりもいたほうがいいです。

 自分がこうなりたいという憧れであり、目標です。

 これ単体ではどうでもいい設問です。


 【《問06》自分が尊敬している作家を、いつか超えられる気がする】については、首を傾げる人もいるのではないかと思います。

 自分が尊敬している作家を、いつか超えられる気がする。

 これがNO――超えられないと思う、あるいは超える気がない、という場合、大成はしません。《問05》がYESであれば、ただのファンで、作家になれるかも怪しくなってくるのです。

 たとえば、憧れの作家が作家レベル80であったとしましょう。

 現状レベル1のあなたは、80が限界だと認識してしまっているのです。

 それより上は存在します。だから『超える』という意識が絶対に必要です。でなければ80にすらなれないのです。レベルで超えるのは諦めても、他のステータスで超える気概が必要となります。


 【《問07》作品に満足できない。書いている最中、充足感が得られない】も、不思議に思う人がいるのではないでしょうか。

 小説書くのが楽しいという人、多いと思います。

 しかしランナーズ・ハイのようなものです。

 作品を書くことが楽しいのではなく、書いている自分に酔っている、と思ったほうが正しいでしょう。

 完結させた解放感で満足するのではなく、途中で満足できるのです。

 完結させることも目標にしていないのですから、エタらせ未完で終わる可能性も高いです。

 いくら書いても満足できない、この飢餓感がない人は、すぐに書けなくなります。


 【《問08》常に疑問をいだいている】もその延長です。

 作品のテーマや、途中の展開について、思い悩む習慣がないと、すぐに筆が止まります。


 【《問09》声を大にして言いたいことがある】にも通じますが、書きたいものがなければ、作品は書けるわけないのです。



■あとがきに代えて《問10》結果説明と《問11》■


 この『作者さんは読んじゃいけない あなたの小説力チェック』は、人を不快にさせる、評価してはならない作品だと思う。


 YESを選ばれた方。

 その心理、当然だと思います。

 不快にさせてしまい、申し訳ありません。



 ――と自分(作者)が書いたことで満足された方、あるいは当然だと思われた方、その程度で許すかと思われた方、作家に向いていません。

 それどころか今後、実生活においても、人付き合いなどに支障を来たす可能性があります。


 この作品は、よく嫌われる『正論』に当たる内容が多いです。

 どこかで誰かが言っている理想論・綺麗事を、まとめているに過ぎません。

 こんなことを書いている自分自身、実行できていないことが多々あります。


 なので現実論を重視される方は、不快になるはずです。

 そういった方々のために、さらに不快にさせてしまうことを恐れず、言わせていただきます。


 『小説家になりたい』

 『評価が欲しい』

 『多くの人に作品を読んでほしい』

 『作品を書籍化してほしい』

 『売れたい』

 現実論を振りかざしておいて、そんな理想を語る気か?


 理想論だけを口にする人は、現実からの逃亡者。

 現実論だけを口にする人は、理想を失った敗北者。

 理想がなければ現実は空虚になり、現実を知らなければ理想は空虚なまま。

 なので作家やクリエイターに限らず、両方が必要です。

 現実を知り、しかし理想を理想で終わらせず、現実にする。夢に向かう、目標を達成するとは、そういうことですよね?


 この文章で不快になられたのは、あなたにご自分で非があるのを理解しつつも、認めることができない反発心によるものと思われます。

 あなたご自身には、大事な想いなのでしょう。

 しかし他人から見れば、それは『もっと大事なことがあるだろ?』と言いたくなる、くだらないプライドの場合が多いのです。


 人生という大舞台においては、あなたは唯一無二の主役です。

 ですが多くの人々が共に生活する社会においては、大勢いる脇役・エキストラのひとりでしかないのです。少なくとも今はまだ。

 その中でのし上がり、本当に舞台の主役になることは、歓迎すべきことです。相応の努力で成し遂げられたことは、多くの人々が賞賛するでしょう。

 それを夢見るのもいいです。夢は目標であり原動力です。見なければ努力もしようがありません。


 ですが、今は違うのです。

 同じ社会に生きる他の人々は、あなたを理解し、可愛がり、賞賛しなければならない義務もその気もないのです。

 だからまず、振り向かせなければならないのです。ないならば、その力を持つ必要があるのです。


 アンデルセン童話『裸の王様』はご存知ですか?

 詐欺師にだまされて買った『バカに見えない服』を着て、パレードで国民の前に出た王様の話です。

 作品投稿という形で、不特定多数を対象としていますが、私は子供となって『王様は裸だ!』と叫んでみました。

 《問10》でYESを選ばれた方は、裸の王様です。羞恥心を反発心に変えているだけです。


 子供が指摘した後、物語はどうなったでしょう?

 様々な形で広がっていますが、おおよそ下記内容のパターンで締めくくられています。

 それを最後の設問とし、同時に作品全体の結びとさせていただきます。

 さぁ、どれを選びますか?

 ただの選択であり、正解はないので、どれを選ばれてもご自由ですが、メリット・デメリットは両方受け取ることです。


 ○ ○ ○ ○ ○


 以下の選択肢を選んでください。



《問11》

 童話『裸の王様』に相応ふさわしいと思う結末は?

 あなたが裸の王様になったつもりでお答えください。


①詐欺師を処罰する。(責任転嫁)

 メリット:諸悪の根源を断つ。自身も被害者だと証明。

 デメリット:名誉挽回どころか別の悪評を受ける可能性あり。


②子供を賞賛する。(非を認めて改善)

 メリット:周囲からの反応が良化。

 デメリット:発言に責任が必要。手間がかかる。


③パレードを続ける。(現状維持)

 メリット:特になし。強いて言うならなにもする必要がない。

 デメリット:今後誰からも愚かだと思われる。


④子供を処刑する。(童話のパターンとしては存在しないが、現実には一番これが多い)

 メリット:自己満足。

 デメリット:周囲からの反応が悪化。


 ○ ○ ○ ○ ○

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