風のごとく駆け抜けて

作者 毛利 耶麻

駅伝あるある盛りだくさん!! それでも抗い続ける陸上女子に注目!

  • ★★★ Excellent!!!

中学のとき、陸上部でした。
小学校のときから体力には結構自信がありましたが、スプリントの才能がないのに気づかされるのにはそう時間はかかりませんでした。
それでもスプリント力が必須とされる跳躍が好きでした。中学二年まで、自分は走幅跳をやっていました。

それでも学校の代表として選抜される大会では400m、活躍できるのは校内マラソン。短距離、跳躍が不向きなのは明らかでした。
どうにかギリギリ県新人までいきましたが、限界を痛感させられました。

そこで自分が出会ったのが、秋の駅伝です。陸上部全員強制参加、代表を決めるトライアルで長距離勢に勝ったときは、今まで味わったことのない奇妙な感覚に教われました。不安やら困惑やら。
自分の学校は地区大会連続優勝するくらいのそこそこ強豪でしたが、自分が走ったその年だけは大敗でした。例年なら区間賞取れるタイムで走っても、ダメでした。全体のレベルが高かった。自分は翌年、駅伝には参加しませんでした。
しかしその年、代わりに入ったバドミントン部が、去年の自分と同じタイムで区間賞を取ってきて、さらにチームも優勝しました。ちやほやされていたのを横目でうらめしく見たのを覚えています。
「自分が走っていれば……」と少しでも思ってしまったら、それは後悔しているってことなんだと思います。

主人公は物語冒頭から経験者で、陸上が好きで、実力もあって、努力もして、親とも正面からぶつかって……。
要は中途半端な自分とは違い「もうぜんぶやってる子」なんです。直すところがない。これは珍しいなと思いました!
それでも「戦ってもいないのに」と言われている彼女を見て心が痛みました。彼女自身、まだ全力で戦ってないと思っていたみたいですが。

そして陸上部ならではの「他の部活の選手に負ける」ことから感じるリアリティもよし。経験者なら「それなぁ……」とついつい唸ってしまいます。

ほぼ完璧に見える主人公がこれから得るまだ知らないものとは一体……。

長文失礼いたしました!

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