ずっと前にフォローしていて、やっと読むことができました。
何故なかなか読めなかったかというと、たぶん、かなりエネルギーが必要なんじゃないかと予測していたから。今から読まれる方は、時間と体調を整えてから挑んで下さい。そのくらい衝撃を受けます。映画レベル?私は読むのが遅いので、一晩越して読みました。寝落ちです。スマホ握ったまま寝ました。
何作品か読ませていただきましたが、最初に読んだのはコンテストに出品されているものでした。それがかなりの衝撃で、千葉さんのファンになりました。
最初はコミカルな感じで読みやすいんです。だけど、進んでいくうちに思考的にも精神的にもえぐられていく。
だけど止められない。結論が知りたいんです。物語のなかに強烈なメッセージが込められています。伝えたいことがハッキリと伝わってきます。いつも泣いちゃうんですよね。リアルすぎて。
なんか意味わからんという人もいれば、泣く人もいると思います。そんな物語。
ひとつ言いたいのは、残酷シーンが残酷過ぎる。必要なんだけどね。
レビューといより、ほぼ感想ですみません。
かつて心を鷲掴みにされた物語が帰ってきていました。
物凄く変なことが、物凄く普通に起きちゃったら。
例えば飼っていた猫が、とてつもなくバカでかくなっちゃったら?
以前公開されていた時にもレビューを書かせていただきましたが、その時も大層難儀したことを思い出します。
作品本編よりも他者のレビューを先に読んで参考にすることも多いであろうカクヨムで、出来るだけ未読者に事前情報は与えたくなくて、だけども読後の衝撃を伝えたくて。
心のままに述べるなら「凄いんだよこれ読んでみて本当凄いから」。
他の方のレビューで「説明が難しい」と書かれているのも、少なからずそういう気持ちがあるのではないかなと思います。
あぁーもう本当に凄いんだよこれー。なーう。
友人の林田に「我が家の猫を見に来てくれ」と言われて始まるこの物語。
冒頭はコメディ色が強く、時折吹き出したりしながら拝読しました。奇想天外な状況設定に登場人物達と戸惑いながらも、それでも『適応』しようとこちらも読み進めるのですが……。
気づけば。
この話。
とんでもないことになるのです。
いや、ほんと、説明が難しいんですよ! 私の語彙力の問題もあるのでしょうが……。
細かく説明しようとしたら、「林田、なーう」しか頭に浮かばないというか……。
もうそれが上手い具合に作用するというか……。
とにかく、すごいんですよ!! 読み始めたら止まらないんですよ!!
昨日、ずっと頭の中「林田、なーう」ですよ。このワード、中毒性があるんでしょうか。家族中で「林田、なーう」って言っていますよ。宗教ですよ、もう。作中で出てくる宗教より、この語彙の中毒性の方が問題ですよ。
この作品、本になったら即買います!
途中、セルフレイティングどおり、『残酷描写』『暴力描写』がありますが、作者様の配慮により、事前提示があります。この配慮もまた、個人的に嬉しかったです。
軽妙な語り口に魅了され、笑いながらあれよあれよと読み進んでいくうちに、いつの間にか不思議で不穏な世界に迷い込んでいたことに気が付きました。どんなにぞわぞわしても、引き返すことができません。
ほのぼのコメディタッチで始まったのが信じられないくらいに、世界はどんどん進化していきます。迫り来る怒涛の展開がとにかくすごいのです。ぶっ飛んでる。突き抜けてる。なにこれ頭がおかしくなりそうなほどにすごい!と、もうやみつきでした。
心揺さぶられる小説はたくさんあれど、脳みそがこねくり回されるような読み心地を体験したのは初めてです。すごいものを読ませていただきました。
すごいとしかいえないくらい、本当にすごいです。
子どものころ「自分以外の人類が全員宇宙人だったら」といった考えに取りつかれたことはありませんか。
あるいは「世界は5分前から始まった」という「世界5分前仮説」を聞いたことがありませんか。
どちらまるで果てのない深淵をのぞき込むようで、どれだけ目をこらしても何も見えてきません。むしろゾワゾワとしたものが心のひだをなでていく、冷たい恐怖が残るだけです。それでものぞきたくなるのは、好奇心をくすぐる魅力があったからに他なりません。
この作品は、その深淵を思い出させてくれます。
でも、何かが見えます。
最初は、猫です。29歳の、外出嫌いな林田が拾ったという大きな猫。
猫は進化して、次々に色々なものを見せてくれます。
そのうち、見ているものが深淵だということを忘れてしまいそうになるかもしれませんが、そのころになると物語のほうから「一体なにを見ているの?」という問いかけか聞こえてくるかもしれません。
一体なにを見ているの?
深淵をのぞきこんで、何になるの?
目をそらさずに、最後まで見届けたいと思います。
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『林田の世界』、読むのは2回目です。
前回投稿されたときにも読んだことがあります。
今回のコンテスト合わせで投稿されているのを知って、期間内にもう一度読もうとタイミングをはかっていました。
でも、はかる必要なんてなかった。
開いたら、もう、この世界にぐいぐい引っ張られていたのです。
前回の『林田の世界』の印象は、「面白いけど読むのにヨイショがいる」というものでした。とにかく小ネタが多くて、物語とは関係ない固有名詞がたくさん出てくるノイジーな作品なのです。知ってるネタなら良いのですが、あいにく知らないものも多く、物語の先を急ぐあまり読み飛ばした箇所がたくさんありました。ノイズ部分も含めて『林田の世界』だと受け止めていたので、再びそこを飛ばす心苦しさと向き合うにはそれなりの覚悟が必要だったのです。
もしそのノイズ感に挫折した人がいたら、再チャレンジしてみてください。
かなり手が入れられて読みやすくなっていることが、1話目からわかります。
最後まで読んだ人は、物語の完成状態を知っているでしょうが、最初そのピースがどのように散らばっていたかまでは把握しきれていないと想像しますので(少なくともわたしは振り回されっぱなしだったので)仕込まれた伏線や付加された情報にニヤニヤしながら楽しめると思います。
初めて読まれるかたへ。
『世にも奇妙な物語』を読むテンションでページを開いてみてください。「それにしてはちょっと長い」と目次を見て思われるかもしれませんが、とりあえず3話までのつもりで読み始めてみると良いと思います。
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読み終えたので追記です。
2回目のスリラー映画は冷静に観られるように、2回目の『林田の世界』も落ち着いて、でもハラハラドキドキしながら読み終えました。とりあえず、ぎったんぎったんのずったんずったんになりながら必死に食らいついて読んでいた初回よりは、余裕を持って彼らの行く末を見届けられたと思います。
そこで気がついたのは、物語の語り手である主人公のおかげで読み終えることができたんだなということ。不気味性や暴力性の印象が強くて、ついそちらに注目してしまうんですが、この主人公の明るさやユーモアが救いでもある。
上で「ノイジーな作品」と書きましたが、このノイズ部分も含めて『林田の世界』で、ノイズ(=ユーモア)な部分があるからこそ楽しめるし、この読後感を求めて再読する勇気を持てたのかもしれません。ラスト3話が本当に心地よいです。
ここに書いてあるのはこの作品の魅力のほんの一部です。
ネタバレしないと語れない好きな箇所がたくさんあります。
「自分も周りもみんな人類である」ことも、「世界は5分前から始まっていない」ことも、「自分はここに存在している」ことも、当たり前かもしれません。でもその当たり前を、この作品は手品のようにすり替えてきます。その鮮やかさにぜひ振り回されてください。
「俺」は友人の林田に呼ばれて、林田の家の猫を見に行く。
以前に公開されていた際にも読了したので、二度目なのですが。
ストーリーをどう説明して良いかわからない。
最初のうちは、笑えます。
起きてることは笑い事じゃないんですが、男二人の反応がいちいち笑えます。
しかし。
いつの間にやら、様相は一変して……。
「残酷描写あり」「暴力描写あり」は嘘じゃないので、本当に苦手な方はご注意ください。
本当に、何をどう説明して良いかわからないのですが。
SFというのは、読み終えたときに読者の世界観が変わっているようなものだと思うのです。
まさしく、この作品のように。
説明下手なレビューで申し訳ないですが、とにかくお薦めです。