『多くは語らぬ、黙って読め』と言える秀作です。

内容は英国を舞台にしたアイドルサクセスストーリーです。展開こそ普遍的ですが、歌手を目指す二組(エメル&デブオタ、リアンゼル&ヴィヴィアン)の悲喜こもごもが丁寧に書かれています。
デブヲタの小さな嘘とリアンゼルの黒い行いが火種となり、オーデション決戦中にエメルとデブオタは強制的に引き離されます。一人残されても、デブオタの思いに応えて渾身の歌を披露したエメル、自身の行いを省みて、公開謝罪に踏み切った上で棄権しなかったリアンゼル……純粋に夢と向き合い、最高のステージングを魅せた二人の姿は圧巻です!
この後に続くラストも爽快で、清々しい気持ちになれました。終盤に差し掛かったら出先で読まないでください、ハンカチorティッシュが必須になるため注意が必要です。

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