この視点、何で今まで無かったの?

 これまで一般的だった(個人的見解)チート勇者=善、魔族=悪という固定概念をひっくり返した設定で進んでいく異世界ファンタジーです。

 人とは力を手に入れると傲るのが普通です。いくら前世の記憶を残して転生したところで、急激に悟りを開き成熟するわけではありません。
 この作品に出てくるチートな勇者たちは『力』を振りかざし、ただただ弱い者いじめをして『強さ』を勘違いしているに過ぎないのです。

 『魔族』というだけで不要な攻撃を受け、逃げるしか術の無くなった彼らを執拗なまでに追い掛け回す……そんな彼らに救いの手を差し伸べたテツオも『チートな勇者』なのですが、彼は人に傷つけられた『痛み』を知っています。

 事故で死にました、チートあげるから別の世界で生きなはれ的なものとは一線を画した人間ドラマだと思います。現在連載中ですが、今後の展開に期待の持てる作品です。

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