「好き」の一点突破で完走した快作

戦車とその乗り手たちへの愛情あふれる一作でした。

戦車は兵器ではなく、皆を救ってくれる(のに手を貸してくれる)素敵な助っ人として一貫して書かれています。

兵器を題材にすると、「人殺しの道具」と言う負い目から必要が無くてもネガティブな描写を入れてしまいがち(敵兵を殺すシーンとか)ですが、「弱者を救う助っ人はそんなんじゃない」と愛情に振り切ったのは素直に賞賛したいです。

また、旅の描写とかも力が入っていて、子供たちと遊んだりトロッコを製作したりと情景が浮かんでくるようでした。

道具を扱う=工夫する事だと思うので、勇者たちとの対比はそこで描けていたか思います。

あと、最後の救援に来る男たちには、「ここで来るか」と膝を叩きましたよ。

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