コンパクトにまとまった良作。というか続きが読みたい。

 不幸な女の子がかっこいい男性に助けられて……といったお話ですが、今作の主人公リズとお相手役のDr.ディーとはちょっと異色、というより噛み合ってない感じです。

 虐げられたヒロインが訪れた幸せを自覚できず~とかではなく、純粋に相手が変な奴なので戸惑い、その結果恩人? への対応が若干ぞんざいになる。と言う流れは微笑ましかったです。

 舞台はスチームパンクで、ヴィクトリア朝のロンドンは華やかな貴族文化と怪人や犯罪者が闊歩する混沌としたストリートが共存する街ですので、文明の利器と魑魅魍魎が入り混じった今作の題材と非常に相性が良かったです。

 1話当たりの文字数が抑えられていますが、作品のコンセプトとよくあっていて、絵本をめくる感覚でした。

 物語は一応の決着を見ますが、もっと読んでいたい気持ちが強いです。これだけ魅力的な世界観とキャラクターなので、続編若しくは同一の世界観での新作を期待したいです。

その他のおすすめレビュー

萩原 優さんの他のおすすめレビュー40