読了しました。面白かったです。朋子さんと子供のことや先生の今後がいろいろ気になる最後でした。あと、殺人事件……あれは謎の提示ではなくてギミックだったのか。ちょっともやっとしていますが。刑事さんが幸せそうなのでまあいいか。サクラビルの住人に幸多きことを願って。
サクラビルに住む、元々は何の繋がりもない人たちの物語。安易な「良い話」ではなく、じりじりと複雑な人間関係を編み上げていく様に現在更新分まで一気に読みました。先生と朋子さんと村石君の関係が今後どうなるのか気になるところ。また、タイトルの「サクラビルを出て」の「出て」が意味深で、結末まで追いかけたいと思います。
世間知らずな僕らが、初めて暮らしたのは、坂の上のビルだったーー。サクラビルに住むことになった二人を巡る、奇妙な住民達との交流。日常や事件を、丁寧な文体で描く。落ち着いた描写に癒されます。
卓越した文章力で描かれて、純文学だと思いました。時に官能的になりますが売春などの描写も淡々と描いています。主人公の「僕」を取り巻く事件に巻き込まれます。私文学なのに時々、神の視点で描かれるのは不思議?ですが、最後まで読む事が出来ました。純文学が好きなので★3つです。
そう考えさせられる物語。あのアパートだって、あのマンションだって、たくさんの人生があるんだ。人生に新しい角度の思考を与えてくれる。そんな物語です。
はやりじゃないとは思います。でも、多くの人の共感を得るはず。読んで損はしない。特に大学卒業間もない人にオススメです。
この春社会人になり、慣れない一人暮らしを始めたときに偶然出会った小説でした。新しい生活が始まり、不安やストレスで押し潰されそうななか、何気なく読み始めたところ、魅力ある登場人物たちが織りなす群像劇に夢中になり、気付けば最後まで読み切ってしまった。平凡な主人公が魅力ある隣人たちと出会うことで少しずつ、でも着実に成長していく様が心に刺さります。この春社会人になった人にぴったりの小説です♪
同じマンションに住んでいても、名前すら知らない。それが当たり前の世の中で、サクラビルを舞台にその住人同士が、思わぬ形で出会っていきます。誰もが一度は経験したであろう悩みを抱え、サクラビルにやって来た大学生の主人公と、近くにいそうでいない、魅力溢れる個性的な登場人物達が、確かな文章力で豊かに描写され、生き生きと動き出す。サクラビルを出て、僕は、何処へ行くのか。出会いと別れが目まぐるしくやってくる季節に、少しだけ、立ち止まって読みたくなる作品です。