少年の殺意は今、刃へと変わる。

壊滅的なカタストロフから始まる、既に圧倒的劣勢に立たされた人類の、しかもまだ年端もいかない幼年兵の戦いを描いた本作。

大人ほど割り切れておらず、かといって子供ほど無邪気でもない彼らは、様々なことに悩み、葛藤し、反応しつつ、目の前の絶望と戦っていきます。

その中でも主人公の統矢は、少年ながら既に歴戦の風格を漂わせる戦士であり、幼年兵の仲間達の中にあっても、また大人達正規兵の中にあっても異質な存在であり、そこが本作の魅力でもあります。

どこか懐かしい、そしてその強さを誰もが知っている強大な敵を相手に、それら敵と比較すればあまりにも非力な戦力で立ち向かう。それはまさに、人類最後の反抗といっても差し支えないでしょう。

絶望の中で描かれる人間模様。そして、絶望を切り裂く諦めない心。この二つが貴方の心に響くならば、本作は間違いなく唯一無二の輝きを放っていると断言できます。

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