1年後の別離

 登場人物の大半が心に何かしらの傷を抱えていた。
 おそらく、その傷が一番深いのがヒロインの南なんだろう……

 そして、お互いに会いたいと願ったからこそ、悲しい再開を果たす。


 別れの痛みを和らげるのは時間だけでは無いと思う。
 楽しむ場所であったり、忙しさであったり……
 ばあちゃんがじいちゃんとの別離を乗り越えられたのも、主人公のように手がかかるけど愛すべき孫がいたからだろう。

 主人公は最後まで後ろ向きな性格でしたが、ヒロインのために絞り出した勇気と決断、それこそがヒロインもまた前に進む……と言う表現はおかしいかも知れませんが、向こうへと旅立つ勇気になったのだろう。


 残された主人公が再び歩み出し笑う切っ掛けを、願わくは早乙女や新しく出会う友人達が与えてくれればと思う。


 『雛葵』さまの紹介で読ませて頂きました。
 『楽しい』という表現は不適かもしれませんが、最後まで楽しく読ませて頂きました。

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