「読者の皆様…あけましておめでとうございます。本年度も、ずっと変わらず不束者で愚か者の作者である蠱毒 暦をどうぞ、よろしくお願い致します。」
「……?」
「心配せずとも、その袴姿。やまねほどではないですが、お似合いですよ…エクレールさん。」
「貴君こそ、私の服とは違って、華やかながらも儚い雰囲気があって、とても似合っている。」
「!?…えっ、そ、そんな事はないです……よ。」
「…?ただ感想を口にしただけだが。不快だったのなら訂正した後、謝罪しよう…それと、私は別にこの服装について気にしていた訳ではない……いや。本音を言えば、少し興味はあるが。」
「そ、そうですか。例えば、あなたの因縁の相手が着ていた服にそっくり…だったとか。」
「……私は貴君と面識はないと記憶しているが?」
「自己紹介を忘れてましたね。私は佐藤 楓(さとう かえで)と言います。あなたの素性については、机に置かれた資料を読んで、黒塗り以外の部分は全て理解しています。」
「成程……私にも少し読む時間が欲しい。」
「はい。その間…☆付きレビューの返信をしますので、ご自由にどうぞ。」
……
「…『煉獄』での魔道具騒動。」
——華麗なる(?)帰宅理論
「ではエクレールさんが、資料を読んでいる間…私が☆付きレビューを返信してましょうか。記憶が正しければ前半では山崎くんが頑張ってくれていたようですし、私も…負けてはいられませんね。」
「……箱庭世界の中で起きた『AI事件』」
——やまねと楓とデスゲーム
「起き上がる様。勢い任せで執筆した、作者様の『終末決定試験』に☆付きレビューをして頂き、誠にありがとうございます。」
「…大陸中央部の旧カト帝国の城跡…否。今は深淵の『呪殺砂塵城(じゅさつさじんじょう)』において59580年の間、君臨していた『原初の魔王』を単独討伐……」
——凡人、運悪く最狂を召喚する。
「『未来が見えた作品』ですか。内容は私も確認しましたが…身に余るお言葉だと思いました。世の中には、この作者様を3段跳びくらいで超える作品に溢れていますから。」
「その後は、散り散りに砕けた大陸…いや、異世界に存在する魔王討伐の旅…」
——Already Over Christmas
「資料曰く…でもそういった、コメントに作者様は励まされる事が多いそうです。改めてにはなりますが、☆付きレビューをありがとうございました。」
「人間であるのにも関わらず、常軌を逸している…そうか。貴君が…『本物の化物』か。」
「『本物の化物』だなんて、まるで谷口くんみたいな事を言いますね…ですが。」
「私の事はいい。」
「…失礼しました。では、手早く残りも終わらせましょうか、エクレールさん。」
「ああ。こちらこそ任せきりにしてすまない。そのお陰で、貴君の事は大体理解出来た……後は任せて欲しい。」
「えっ、そうですか?あなたが言うなら…はい。少し席を外しますね。」
ガチャン……
「次は、犀川 よう殿が企画立案した『最可愛女子💗たちが感想書いちゃうぞ⭐️』において鳥尾巻殿の『第二回楽屋裏トーーク』で、作者殿が参加した作品についての言及がされていて…感謝の言葉を述べたい所なのだが。」
(…やはり、作者殿の代理として私が言及するのは間違っている。私は既に、『中立神』カオス様の代理人をしているから尚更だ。)
ガチャリ…
「……と、出会ってからずっとエクレールさんが思い悩んでそうだったので、暇そうにしていた作者様を連れて来ました。」
『ぐぇ…背中踏まないで、あの…今、私…炎神様の任務をしてたんだけど……』
「それを『暇』以外の何と言うのでしょうか?エクレールさん。この方は…私達の『敵』ではありませんが『嘘つき』です。」
「ふむ……『審判』の権能により、前半の内容を確認したが、楓殿の言う通りだ。作者殿。貴君は前半の年末編において参加する筈だったのに、多忙と偽って不参加だった。異論はあるか?」
『いや、えっと……そのぅ……でも。はい…のんびりしたかったんです!!!!』
「醜いですね。」
『いやでも、全部が嘘って訳じゃないんですよ!?確かに、年末は色々な事をやってて忙しくて』
——静粛に。
「黙って下さい。」
『むぐぐっ…!?』
「☆付きレビューを自身の言葉で伝えなかった。たとえ時間がなく、忙しかったとしても…作者としての責務を怠った事は、読者を軽視している事に他ならない。」
「……」
「よって『中立神』カオス様の代理人として、『裁定神』エクレールが判決を告げる。」
作者…蠱毒 暦は有罪により。
【今回に限り、他人に任せる事を固く禁ずる。】
『え、え…今回だけ?』
「正月の特例処置だ。残りは作者殿が責任を持ってやるといい。では…楓殿。私達は外に。」
「はい。」
作者殿を白色の部屋に残し、扉を閉めて…白色の廊下に出た。
「私の意図をすぐに察して、一芝居打って、話を合わせてくれた事、感謝する。」
楓殿は、扉を閉めてからクスリと笑った。
「…『審判』とか権能とか、私…そういった目に見えない超常的なものは、基本的に信じない主義なのですが……上手くいったのなら良かったですね。」
「私は常に、公正公平でなくてはない。『審判』に特例処置など…『中立神』カオス様はしないだろう。よって私もこの権能を使う訳にはいかない。」
「そうなのですか?私はてっきり…これを禁止してしまえば、また来た時にエクレールさんが会いたいと思ってても会えない方々と、会える機会を完全に失ってしまうから…とかだと思ってましたが。」
「……それは、」
的確に言い当てられて、私がどう言おうか悩んでいると、右側から…酷く懐かしい『彼女』や男の声が聞こえてきた。
「あれ?あれあれあれ??エクレタマル??いや、エクレチマンじゃん!!君も来てたんだね☆」
「っ!?か、楓さん…この場所にいたのか。」
「あらら?まるで彼女さんが来たみたいな…そんな反応ぎゃん!?痛い痛っ……死んじゃう死んじゃう!?!?」
「まーだ、懲りてねえな…この野郎。さっきみたいにボコボコにして、足腰立たせなくしてやるよ!!!!」
一方的な喧嘩が始まる中、楓殿はつま先立ちになって、私に耳打ちした。
「元の場所に戻れば、ここでの記憶は完全になくなりますが…また来れば、ここであった事を思い出せますし、稀にこうして会いたい人と会えるのですから…私はあった方がいいと思います。」
(……そうだな。)
「では、私達も止めに行きましょう?」
「そうしよう。『中立神』の代理人として…『審判神』として…この現場を見逃す訳にはいかない。」
そんな事を言いながらも、心の奥底では『彼女』とどのような話をしようかと胸を膨らませていた。
…… To be continued?
今回のメインキャスト
【前半】
◯ユティ
登場作品
『私と君で最高の革命を!』
https://kakuyomu.jp/works/16818093084245497429『さよならは言わない』
https://kakuyomu.jp/works/16818093075807714560◯山崎 聖亜
登場作品
拙作のコレクション…『三馬鹿シリーズ』から。
【後半】
◯エクレール
登場作品
『私と君で最高の革命を!』
https://kakuyomu.jp/works/16818093084245497429『前世ルーレットの罠』
https://kakuyomu.jp/works/16818093075556048982『在りし日』
https://kakuyomu.jp/works/16818093077082009344◯佐藤 楓
登場作品
『華麗なる(?)帰宅理論』
https://kakuyomu.jp/works/16817330669713117110『やまねと楓とデスゲーム』
https://kakuyomu.jp/works/16817330667274406808『凡人、運悪く最狂を召喚する。』
https://kakuyomu.jp/works/16817330668409403630『Already Over Christmas』
https://kakuyomu.jp/works/16818093090978926528