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予告劇場その三(前編)


「予告編じゃ!!…とは言ったものの、ワシは趣旨をよく知らん。ていうか、どこじゃよここ。」

「………」

「ワシが封印しているアレが創った空間に似てはおるが…ま。どうでもよいか。さっきから何を黙っておる?いい加減、会話に混ざれよ。」

「えっと…その…」

「あー…うぬは知らんのか。ならば名乗ってやろう。ワシの名はエンリじゃ。『原初の魔王』『抑止力』『最古の呪い』…好きなように呼べ。」

「よろしくねエンリちゃん。僕は…」

「佐藤 やまね…か。知っとるよ…凡人の記憶を覗いておったからの。こうして見なければ分からんかったが、よもや…宿敵と同じ血族じゃったとはな。」

「…宿敵?」

「うぬは知らんでもよい。思い出すだけで呪い殺したくなる。ほれ…早速始めよ。ワシと共に予告を進行する事や、そのちゃん付けを宿敵の顔に免じて、特別に許してやる…精々ワシをこれ以上、イラつかせるなよ。」

「わ、分かり…ました。じゃあ、早速始めるね。」

「…ふん。」

「えっと…今更だけど、エンリちゃんと玉川さんが主人公の長編『凡人、運悪く最狂を召喚する。』と、僕が一応主役の短編『三馬鹿と合宿』が完結しました!」

「PVの数的には、圧倒的にワシの方が上じゃ!!ザマァじゃな。うぬ?」

「あはは…エンリちゃんみたいな個性がない僕が主役なんだから仕方ないよね。」

「なんというか……すまんかった。」

「え?」

「2度は言わん。続けよ。」

「?…次は……」

「…48ページじゃ。」

「あ、ありがとうエンリちゃん!…今日から新たに長編(予定)をキリがいい所まで毎日1話ずつ、投稿するんだって…その内容は、あれ?何で耳を塞いでるの?」

「……ノーコメントじゃ。内容は読めば分かるじゃろ。ここで言う必要はないの。予告するべき事はまだ残っとるよな?」

「そのっ、エンリちゃんって…玉川先輩と会った事があるの?」

「ん?うぬが持っとる資料にでも書いておったのか?」

「えっと!?…その。詳しくは聞けてないんだけど、花形先輩の誕生日パーティからずっと、行方不明になってて…エンリちゃんの黒いドレスにうっすらとあるそのロゴ。玉川先輩が服を作るときは必ずつけてあるから…」

「全く気にせんかったわ。ふむ…記憶を見た中で比較的、仲良さそうじゃったからな奴とうぬは…そういうのも理解しておるという事か…おい。うぬは凡人の事を今でもどう思っておる?」

「凡人…?当時、入部したてで未熟だった僕にわざわざ裁縫の手解きをしてくれた先輩…かな?今は…行方不明になってて心配で…」

「それは知っとるわ。うぬに聞きたいのは…何じゃ。異性として…ツガイとしてじゃな…」

「っ!?あ…あのね。エンリちゃん……その。こんな見た目なんだけど…僕、男なんだ。」

「…?ああ…凡人の記憶にあった『ボクっ娘』という奴かの。」

「違っ…!」

「ワシを揶揄っておるのか?何処からどう見てもうぬは…女子高生という奴じゃ。その制服といい…何を言っておるか。」

「男…男なんです!!僕は…こ、こうなったら!!」

「くどいの。ワシがそう言ったのじ、ゃか…ら。」

「……こ、これで。証明できたでしょ!?」

「あ…侮っておったわ。は、ははははは!!!」

「っ!?エンリちゃん……え、待っ…」

「見直したぞ。よもやワシと同じく、ノーパンの道を突き進む同志であったとはな。考えてみれば、宿敵と初めて会った時も、奴は全裸であった…血は争えぬという事か!!!」

「違っ…それは、谷口くんに頼まれたからで…」

「嫌なら何故、拒否せぬ。つまり…そういう事じゃ。」

「そ、それは……頼まれたからには、僕なりに頑張らないと…」

「ハッ…自身に価値を見出せない…かの?生まれて初めてワシは他者に同情しよう。あんな奴の血族になるなんて…不幸な奴じゃ。」

「さっきから血族って…まさかっ!?姉さんの事を何か…知っているんですか?」

——ガチャリ

「目の色が変わったな…知りたいかの?ノーパン仲間のよしみじゃ。特別に教えてやらんでも……は」

「……あ。谷口くん!」

「やまねちゃん。尺稼ぎご苦労様!途中で予告のネタが切れたのによく場を繋げられたね。それと…ありがとね。やまねちゃんの相方としてよく頑張ってたよ。」

「何故…?今更、ワシの前に姿を表した…?じゃが丁度よい。こんな予告劇場なんて知るものか。全てを投げ出しても…ここで決着をつけてやる。ワシに退屈という名の地獄を押し付けた…私に封印を施した貴方だけは…許してなるものか。」

「…エンリちゃん?」

「人違いじゃない?私は谷口 馨…何処にでもいる普通の高校生さ☆」

「ワシが…この私が、貴方の事を…見間違える事などありえません。奴隷ごときが散々、熾天使たる私をさも道具として使い潰した事をお忘れですか?」

「生憎、記憶にないけど…やまねちゃん。ちょっち目を閉じて耳を塞いでて。」

「うん…分かったよ。」

………

……



「……いいよ〜目とか開けても。」

「…ん。あれ…エンリちゃんは?」

「強制送還されたよ。ここでの殺傷行為は厳禁らしいから…仕方ないね☆」

「なら…えっと、この後はどうするの?」

「実はこれ、前編というか前座でね…作者君はそっちに行ってるんだ。」

「あ…だから、こんなに情報が少なかったんだ。」

「そ。だからオチは私達でどうにかつけなきゃいけない訳。どっする?やまねちゃん。」

「ん〜〜〜…ごめん。思いつかないや。」

「思案顔のやまねちゃんも可愛いね。写メとかに残したいけど…目に焼き付けとこ。」

「そんなにジッと見られたら…恥ずかしいよ。」

「よっし。閃いた☆私に任せてよ…ん…おっほん。」

まずは、ここまで読んでくれた諸君に感謝を。

前編はここまでだが、物足りないであろう諸君の為に無論、後編を用意している。投稿するのは少し先になるだろうが、先にそのメンバーを発表しよう。

先の宣言通り、作者も無論いる…が、それに加えて2人。

1人は狂気に取り憑かれた酒飲み。

もう1人は全ての想いを背負った荷物持ち。

……という某参加企画コンビでお送りする後編に刮目せよ。何、退屈しのぎにはなる代物だ。期待しながらその約束の日を待て。

「…ど、どうだった?」

「うんっ……先輩みたいだった!」

「部長閣下みたいって事は、つまりは厨二病な痛い奴みたいだった…ってことか…うん。はい後編に続くよ!!はい、おしまい!!!帰った帰った。見せ物じゃないからねこれ!!!」

「…?」


…… To be continued




















































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