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KACが僕の中で終わったので、「本命」だった作品について書く。

 KAC、今回は参加しないつもりだったんですが、ほんの息抜きのつもりが結局七つのお題全部描いちゃいました。んで、息抜きついでにどの作品が本命だったのか、それも書いておきます。

 僕の本命の作品、それは「ぐちゃぐちゃ」であります。
https://kakuyomu.jp/works/16817330654111263065

 他の作品は大した苦労もなくスラスラと描き、ろくに推敲もしてなかったのですが、この「ぐちゃぐちゃ」だけは構想を練ってはやり直し、みたいにしてました。

 最初は美波ちゃんを主役にして、家事や育児に奔走する妻と、神経質で無神経でそれでいてだらしない夫とのやり取りを考えていました。
 なんで辞めたのかっていうと、ちょっと奥さん寄りになりすぎちゃうんですよね。
 お互いにお互いの苦労が見えてない状況で奥さん側を主役にして男の良くない部分を浮き彫りにすると、ただただ女性が男性の不満を撒き散らす作品になりそうだったので、辞めました。逆に男性視点の作品にしても同じ事が言えます。
 そこで三人称で交互に女性側と男性側の視点切り替えにする事としました。
 すると、です。
「夫婦は生き地獄」みたいになりました。笑
 
 これはもう登場人物から見直す必要があると考えて、健吾くんとその彼女を描こうとしました。
 可愛いんだけど色々と汚い彼女と、イケメンなんだけど色々と子供な健吾くん。
 すると、なんという事でしょう。
 めちゃくちゃダメな馬鹿ップルが誕生しました。笑 共依存型です。
 辞めました。

 ちょっと投げやりに「別れる話でも良いかもしんない」となって、離婚する前の咲良ちゃんと元旦那を考えました。
 これは実体験を基にしてます。
 ただし、夫婦ではなくて恋人の関係性。


 仮にA子さん(笑)という人がいるとします。
 A子さんにはBくん(笑)という彼氏がいました。二人はまだ結婚してないので、二人ともお仕事をしています。
 二人は同棲していてA子さんの方が帰りが遅くなる事が多い、そんな感じ。
 でもBくんは「自分の方がキツい仕事をしている」と盲信し、家の事を全てA子さんに任せています。
「おかえり! お腹空いたから飯作って」
「シーツ汚れたから仕事行く前に洗濯しといて」

 A子さんの不満は募り、Yくん(尊)という男友達にそれをぶち撒けます。
 それを聞いたYくんは怒ってある行動を起こします。

 ある日、Bくんが家に帰るとそこにはA子さんとYくんがいました。

「あれ? Y、なんでお前がここにいるの?」
「あB、お疲れ。A子は俺と付き合う事になったから、荷物まとめるの手伝いに来た」 
 嘘です。
 A子さんとYくんは付き合う気などありませんでした。
 ですが、すっかり騙されたBくんは「ふざけんな!」ってなります。
 騙していたはずのYくんも逆ギレして、ぐちゃぐちゃになりました。
 そんなやり取りの中でYくんはBくんに
「A子だって疲れてんだから協力すりゃ良いじゃん」
 と言いました。
 ですがなんとBくん——。

「ああ、じゃあもうイラネ。別れるわ」

 と、吐き捨てます。
 後から考えたならBくんは騙されてたワケですので、そういうセリフを言うのも無理は無いのですが、その時のYくんはBくんの心の内を知る余裕はありませんでした。

 A子さんとBくんは、別れました。

 なんやかんやあって、A子さんとYくんは付き合います。

 でも、短い期間で別れました。

 なんでかってーと、A子さんとBくんではBくんの方に余裕があったのに、A子さんに負担が掛かっていた関係。

 A子さんとYくんの場合は、Yくんは仕事を優先する人だしA子さんと同棲とかはしてません。
 たまにデートする為に会ってその後はホテル、日をまたぐ前に帰宅してそのまま元の日常へ戻る。
 そんな繰り返しに二人とも飽きてしまい、二人の関係はごく自然に消滅しました——。

 
 はい! 僕の作品のダメなパターン!
 描写だけして「魅せる」という事をしてない、フィルムを現像しただけのお話です。
 
 こんなもん読んだ人が「よっしゃ恋愛しよう」なんてなるわけがありません。「結局そうなるのか。やっぱ恋愛なんてしない方が良い」と考える人達が増えるだけです。

 そこでYくんを「太一くん」という、別な人にする事を考えました。すると二人の関係が上手く行きます。
 上手く行ったんですけと、今度はA子さんの方に「不足」が生じました。
 これでは単に女性に優しい男がひたすらに甘やかすストーリーになってしまいます。
 女性向けラブコメ、恋愛ならばこれで良いかもですが、読み終わった後「ウチの彼氏はそんなんじゃ無い」ってなって終わり。
 生産性がありません。
 
 そこでA子さんに苦労させる事を思いつきました。「離婚」という体験と「シングルマザー」という肩書きを付け、咲良としました。

 二人とも「そこそこに」几帳面、「そこそこに」大雑把。かつ、お節介。
 それだけならば上手く行きませんが、二人とも他人に気遣いができて、咲良の方がやや大人です。

「これはイケる!」って思いました。

 んで、先に考えていた美波ちゃんと健吾くんに助言役と反面教師の両方になってもらう事で、あの物語は完成しました。

 理想と現実は違う事を認識し、お互いの好きな部分と嫌いな部分も認識する。その上で互いに自分と相手その両方を尊重するってのが大事なんじゃないかと。
 それこそが「理想」なんじゃないかと。

 ただ単に、相性の良い相手を探すのも良いんですけど、自分から相性が良くなる方向へ行くのも大切だと考えました。

 短編ですので、かなり端的なお話になりましたが、如何だったでしょうか。

 さあ! 未来へ繋がるその栄光を掴み取れ!

 マッチョメーン!!


 終わり。

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