皆さんはシャケという魚をご存知だろうか。
シャケは僕にとって、食べ物だ。
たとえばお刺身。
醤油皿に脂が浮くほどの旨味のなったその身は、口に入れるとなめならかな舌触りを感じさせ、その歯応えは「俺は今まさに、シャケの刺身を食べている」という実感を与えてくれる。
そして焼いたり炙ったりして魚肉に熱が加わる事で、その美味しさも振る舞いを変える。
ほぐれるのだ。身が。口の中で。
さらに奥歯で噛むことにより、旨味と脂が混ざり合い、それが下の上に戻り、呑み込み、僕はシャケを、美味い、と感じる。神だ。
シャケは僕にとって生き物だ。
北海道千歳市に「サケのふるさと館」と銘打った水族館がある。中川翔子さんの遠い親戚が経営する、ちいさな水族館。
そこにはベニマス、ニジマス、シロサケ、その他諸々のシャケの仲間達入った水槽がある(もちろんそれ以外もいるよ! ピラニアの子どもとかめっちゃカワイイし、人間が近づくと嫌がって離れるチョウザメもキュート❣️)。
だが、その水族館の魅力は、館内だけではない。館内の入り口付近に下へと続くスロープがある。半ば地下のようになっているそこには「窓」があり、そこから千歳川の川底を見ることができるのだ。
さらに、である。
川底側から見てその窓はくぼんだ造りになっており、水流に疲れた魚が休めるようになっている。つまり、窓に魚が集まってくるのだ。
そこにはヤマメやヒメマスなどのサケ科の魚や、ニジマスのようなマス科の魚も休んでいる。窓に指を近づけると寄ってくる! すごくね!?
野生の魚をおがめるのだ。
僕はそれを「美味しそう」とは思わない。
美しい、と思う。
シャケには様々な種類がおり、様々な生き方をしている。人間との関わりも深く、様々な利用方法がある。
そして、一生懸命に生きている。
僕らはその命を奪って生きている。
でも、必要なのは罪悪感などではなくて、彼らの生き様を識り、感じ取り、感謝する事ではないだろうか。
もちろん、主観である。
ただ僕は、彼らの命に報いる為に、必死に生きたい。そう、思ってしまう。
アイラブ! ウィーラブ! シャケ! シャケ!
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