これは、Yくんという美容師さんが体験したお話です。
皆様もご存じのとおり、美容師さんはお客さんと、お話したりしますよね?
ですが、中には。
お話しないほうが、良い話題も、あるようですねぇ。
Yくんはその日、久しぶりに来たお客さんに、会話を交えながらお仕事していたそうです。
Yくん、「お久しぶりですね。何かあったんじゃないかって心配してましたよ」と、そのお客さんに言いました。
するとお客さん、仮にAさんとしましょう。
Aさんはこう言いました。「ちょっとお店のスライサーで親指、切断しちゃって」
Yくん、うわあああああ! ってなりました。
で、辺りをキョロキョロ。
と、いいますのも、美容室にはリラックスする為に来る人もいるわけですね。だから、多くの人の地雷になりそうな事や、不快に思ったりしそうな事なんかは、あまり言わないほうが良く、多くの美容師さんは、そういった事も気をつけながらお仕事をするんだそうです。
勿論Yくんもそうでした。
ですが、お客さんがそういった事を話したりなんかする事もあるそうで、そういう場合はYくん。
ヒヤヒヤしながら接客をするんだそうです。
いつもなら話を逸らしたりなんかするんですが、その時のYくんはAさんのお話の中身に、興味を持ってしまったんですよねぇ。
Yくん。「えっ? まじっすか? 大丈夫なんすか?」
でAさん。「大丈夫。骨とかでもない先っぽだから。でもそのせいで、親指、変な形になっちゃった。ホラ見てよ」
Yくんザワァってなった。
だって、Aさんの右手の親指の先、平になっちゃってるんですから。
Aさんは続けました。「病院の外来でも血がぼたぼたしてて、お医者さんにね? 市立病院への紹介状も書いて貰ったんだけど、指の取れた部分、店に置いてきちゃったんだよね」
Yくん思います。おいおいって。
Aさん。「で、店長に電話したんだけど、その部分が薄すぎて持って来れないって。参っちゃうよね」
Aさんのお話がなかなか終わらず、しかも声が大きいのでYくん。
怖いな怖いな〜って思って、話題を変えようとしたんです。
そしたらAさん、こんな事言った。
「で、二月にわたし、コロナになっちゃって」
美容師さんは色んな人とお話したりしますから、気をつけなきゃいけない事がホントに多い。
でもお客さんは、話したい事があっても、喋る機会が少ない。
きっと人は、色〜んなお話したい出来事が山ほど、あるんでしょうねえ。
どぅどぅーん……。
疲れたので、いつもの文体に戻します。笑
なんでこんな事書いたのかっていうと、僕の作品のセルフレイティングについて書きたかったからです。
実は僕、連載中の作品の暴力描写あり、とか残酷描写あり、とかを取っちゃってました。
とある創作論を読んで「ああ、僕のはR15ではないな」とか思いまして。
そういうのを読みたい人には物足りないと思いますし、そういうのが嫌いな人を遠ざけちゃうのも、損だと思ったのです。
ただ、明日からレイティングを戻そうと思います。「主人公」がそういう事をしちゃいますので。
それでも、別に体の中身が飛び出たりとか、そういう描写は書かないんですけど、「映画版ジャ◯アン」と真逆の効果が生まれる可能性があり、戻す事としました。
んでです。
別に僕、「皆知らないだけで世の中は残酷だぜ? 俺がわからせてやんよ」みたいな事は考えてません。そんなつもりも毛頭ないです。
でも、えーと、そうですね。
例えば「ありがとうを百回くらい言う」という事をしたら、最後の百回目は全然ありがたくないと思うのですよ。まぁそういう話ではないんですけど。比喩です比喩。
という事で、良いものも悪いものもありのままに描く、という方針を、ただ、貫くだけです。
どぅどぅーん。
https://kakuyomu.jp/works/16816927859413555828